2017.07.29

新田が苦しみながらも初戦を突破、「簡単に負けて帰るわけにはいかない」理由とは

試合後、ガッツポーズをする新田高校(愛媛県)キャプテンの岡本瞬(中)[写真]=青木美帆
大学時代より取材活動を開始し、『中学・高校バスケットボール』編集部を経て独立。メインフィールドである育成世代から国内バスケット全体を見つめる"永遠のバスケ素人"。

 最高身長188センチの新田高校(愛媛県)が、200センチのアフリカ系留学生、エマニエル・オブアヌチを擁するアレセイア湘南高校(神奈川県)を79-71で下し、平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)2回戦進出を決めた。

 序盤は相手のゾーンとマンツーマンが混在するディフェンスをなかなか打開できず、出遅れた。しかし、選手たちはコートの中を絶えず動き回り、チームで作ったチャンスからキャプテンの岡本瞬や岡田知紘らがシュートを打ち続け、188センチの松本直之や180センチの平将輝が果敢にリバウンドを奪った。

 第2ピリオドは平が3つ目のファウルを宣告されたことを受けて、思わぬ形でゾーンディフェンスを使用せざるを得なくなった。しかし、これがアレセイア湘南の勢いを止め、残り2分を切ったところで同点にこぎつける。離されては追いついてという展開を粘り強くしのぎ、第4ピリオド開始直後に逆転に成功。その勢いのまま喜びの声を挙げた。

 玉井剛コーチは「本来は先行逃げきりのチームなんですけどね」と笑った後、「簡単に負けて帰るわけにはいかないと、選手たちががんばってくれました」と続けた。

 簡単に負けられなかった理由は、秋に控える地元開催の国民体育大会(国体)だ。今年の主力選手は国体向けの強化事業「ターゲットエイジ」の一員として、中学生の頃から合同練習などを積んできた。「長く『自分たちが国体で戦うんだ』という意識でがんばってきた成果が出ました」と玉井コーチは話す。

 地元国体での飛躍に向けて、今大会はできるだけ多くのものを吸収したい。岡本は「今日勝ったことにホッとせず、明日以降もがんばりたい」と抱負を話した。

文=青木美帆

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