2018.01.14
Bリーグ2度目のオールスター戦は1月14日、B2リーグ所属の熊本ヴォルターズのホームアリーナでもある熊本県立総合体育館で行われる。一昨年4月の熊本地震からの復興支援を目的として「がんばるばい熊本 がんばるばい日本」をテーマに掲げる日本バスケットボール夢の祭典は、昨季の最終順位をベースに「B.BLACK」と「B.WHITE」に分かれて、スター選手らが日本最高峰のプレーを披露する。
ファン投票で選出されていた千葉ジェッツの富樫勇樹、アルバルク東京の馬場雄大は残念ながら、故障により欠場となったが、日本代表の比江島慎(シーホース三河)、篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)、そして未だ衰えぬ人気を誇る日本バスケットボール界の顔、田臥勇太(栃木ブレックス)など豪華なメンバーが熊本に集結する。
昨年は東京、国立代々木競技場第一体育館で行われたBリーグオールスター。チケットの一般販売は初日わずか2時間で完売し、Bリーグ開幕戦(第1戦9132人/第2戦9461人)の入場者数を上回る9567人の観客を集めるなど、その人気の高さと新しいスポーツエンターテインメントに対する注目の高さを見せつけた。チケット収入やメディアを多く集めることを考えれば利便性の高い東京近郊での開催を継続する考え方もあったはずだが、Bリーグ2年目の今回は熊本での開催となった。
この開催については、前回オールスター終了後にBリーグの大河正明チェアマンが「平成28年熊本地震を決して忘れない。熊本から日本を元気にするべく、復興支援を目的にオールスターゲームを熊本で開催することを決定いたしました」と発表したとおり、リーグ主導で決定したものだが、Bリーグは2019年以降もオールスター戦は地方の活性化を目的に開催地を募り「巡業制」を採っていくことを発表している。
Bリーグ広報部の新出浩行氏はオールスター地方開催の意義について「Bリーグオールスターをやることによって、地域のバスケットボール熱がもっと高まることになれば成功だと言えます」と語ると、続けて「Bリーグが(オールスターで)来ることによって、行政がもっと力を出してくれる。例えば、アリーナの建設を考えなければならない時にクラブの下支えになるというか、『オールスターがきっかけになりました!』となれば……」と、バスケットボールの祭典開催が、各クラブを支えるリーグの重要な役割の一つになり得ると述べる。
オールスターという夢の祭典が火付け役となり、熊本のバスケットボール人気をどれだけけん引できるかは、祭典開催後の地元熊本ヴォルターズのがんばりによるところも大きいが、まずはバスケットボール、Bリーグの認知向上という意味では、このオールスターの告知や可視化施策も重要な意味を持つことは明白だ。オールスターを盛り上げるべく、開催地熊本では街中のあちらこちらでオールスターのポスターや懸垂幕などを見ることができる。熊本の玄関口である阿蘇くまもと空港では、ターンテーブルの前で荷物を待っていると、くまモンがバスケットボールを携えてお出迎え。熊本を代表する老舗、鶴屋百貨店には巨大な懸垂幕がかかり、ラッピングされた路面電車やバス停の大型ポスターなども見受けられ、生活導線上からオールスターのムードを盛り上げる。
最多得票で選出されつつも、ケガにより出場は叶わなかったA東京の馬場は、熊本市の中心地、花畑広場で行われた事前イベントに集まった大勢のファンの前で「明日は夢のような時間を楽しんで欲しい」と力強く語った。その言葉どおり、日本国内のトップ選手が一堂に会する機会は、まさに夢のように貴重だ。試合開始は15時5分。熊本のバスケットボール熱を沸騰させるような素晴らしいプレーを、日本を代表するスター選手たちに期待したい。
文=村上成
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