ガードナーの技あり片足ステップバック、ディフェンスとの駆け引きにも注目『BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK』

毎節、Bリーグのタフショットを厳選してピックアップする「BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK」。Bリーグ2017-18シーズンの第17節から選ばれたタフショットトップ5を大塚商会アルファーズ(B3所属)の青野和人ヘッドコーチに解説してもらった。

解説=青野和人(大塚商会アルファーズ ヘッドコーチ)
写真提供=Bリーグ

【5】#45デクスター・ピットマンの、相手の追撃を断ち切る豪快なアリウーププレー(三遠ネオフェニックスvs富山グラウジーズ GAME1)

第4クォーター残り5分7秒、#11宇都直輝選手の駆け引きがビッグプレーを作った。セットプレーを使って一度逆サイドにボールを回すと、#45ピットマン選手が相手ディフェンスに対してヘルプしづらい状況を作り、#11宇都選手がまたボールをもらう。スクリーンを使ってドライブする際、三遠のディフェンスは富山のシューターを気にしすぎていたため、#45ピットマン選手の飛び込みを止めることができず。両手で豪快なダンクシュートを決めた。2つ前のオフェンスでは、同じセットプレーでディフェンスに止められている。このセットプレーに苦手意識を作らないように、今度は同じコールで自らのテクニックを駆使し、ディフェンスを崩している。その緩急にディフェンス3人も引きつけられ、素晴らしいプレーにたどり着いた。#45ピットマン選手自身もその絶妙なパスに表情が和らいだ。

【4】#6馬場雄大選手のしっかりファウルをもらいながら決めた左フックのレイアップシュート。(アルバルク東京vs滋賀レイクスターズ GAME2)

第3クォーターの出だしからアップテンポの点の取り合いとなった中、第4クォーター残り9分に#6馬場選手がトップでボールをもらいオンボールスクリーンとなった。ディフェンスが逆に反応したのを見て、一気に抜き去りゴールへと向かっていくが、Bリーグナンバーワンショットブロッカーの#40ディオール・フィッシャー選手が寄ってきた。#6馬場選手はレイアップシュートを打つ前の1歩目に#53アレックス・カーク選手へのパスフェイクを使ったものの、#40フィッシャー選手は引っかからずそのままブロックショットを試みた。しかし、#40フィッシャー選手のファウルを受けながら左手のフックシュートを決めた。フェイクも入れながら、トップスピードでやってみせたこの動きにルーキーらしからぬ余裕さえ感じる。

【3】気合で決めきった#6比江島慎選手の同点3ポイントシュート(新潟アルビレックスBBvsシーホース三河 GAME2)

ファウルの境目がわからなくなるくらい激しいぶつかり合いとなった新潟vs三河は、第2戦も最後の最後までもつれこむ展開に。試合終了残り33秒、3点ビハインドの三河はどうしても追いつきたいオフェンスで、チームは#6比江島選手にボールを託した。同20秒になるとゆっくりと1on1を始める。浮くような動きを見せ、緩急をつけて左に大きく抜き去る動きで思いきりのいい3ポイントショットを放つ。#7五十嵐圭選手は当然警戒して、しっかりとシュートチェック。抑えられているディフェンスの手を押し退けるように打った3ポイントショットがネットを揺らした。この時間で必要な得点をキッチリと決められる#6比江島選手は、さすが日本のエースと言えるだろう。

【1】#11宇都直輝選手の決勝ゴールとなるバックシュート(三遠ネオフェニックスvs富山グラウジーズ GAME2)

第4クォーターだけで14得点(試合をとおして21得点)と圧巻の爆発力を見せた最後は、決勝ゴールとなるバックシュートだった。試合終了残り12秒、#11宇都選手がリバウンドを取ると、自らドリブルでフロントコートにボールを運び、トップでボールスクリーンプレーを選択。スクリーンが掛かってディフェンスを振りきるが、スクリーナーのディフェンスが正面に出てきた。すかさず#11宇都選手は中から外につくドリブルでディフェンスを振りきり、3枚のディフェンスを相手に決めきった。弾むようなステップからゴール手前でシュートを打つと見せながらバックシュートに切り替えたことや、「ファウルを犯したらフリースローを打たれてしまう」というディフェンスの心理を読んだことが難しいプレーの成功につながった。

【1】大エース、#54ダバンテ・ガードナー選手の技あり片足ステップバック。(新潟アルビレックスBBvsシーホース三河 GAME2)
インサイド選手のぶつかり合いが多かったクライマックスも、やはり#54ガードナー選手のインサイドアタックに勝負を託した。試合終了残り12.7秒、新潟のボール。三河ディフェンスをスイッチさせようと#34ラモント・ハミルトン選手がドリブルハンドオフ(手渡しパス)するが、ボールこそ渡せたもののスイッチがうまくいかず時間だけが過ぎていく。同3秒で1on1が始まり、2回押しこむドリブルをしたあと、3回目のドリブルでターン。ディフェンスに詰められないように片足を使い、バックボードを使うことでブロックショットされないシュートコースを選んだ。無茶に打つのではなく、テクニックでしっかりと決めた劇的すぎるブザービーターに、#54ガーデナー選手が見えなくなるほど仲間が飛びかかりチーム全員で祝福した。

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