2018.04.21
前日の激戦から24時間経たずに再び相まみえた、シーホース三河と島根スサノオマジック。4月15日にウィングアリーナ刈谷で行われたB1リーグ第28節第2戦は、前日同様に激しく、熱い一戦となった。シーズンの勝率は両極端であったが、全くそれを感じさせない素晴らしい戦いだったということを記しておきたい。
「インテンシティ」と「エナジー」という言葉がこのゲームのキーポイントになった。
ゲームの主役になったのは、エナジー溢れるプレーでチームをけん引し、日本代表にも名を連ねているシーホース三河の橋本竜馬。彼が第1クォーターに見せた素晴らしい活躍でチームは流れに乗っていく。シュート成功率100パーセントの19得点(3ポイント2本、2ポイント6本、フリースロー1本)の大暴れ、相手の激しいプレッシャーの中でも次々とシュートを決めたことで、ストロングポイントであるインサイドにスペースができ、桜木ジェイアールやコートニー・シムズも得点を記録。チームが重きを置く、ハーフコートオフェンスのバランスの良さがコート全面に表れた。
第2クォーターに入ってもいい流れは続き、セカンドユニットの日本人選手が活躍。村上直、西川貴之、松井啓十郎の3人が、今シーズンのチームがフォーカスしている展開の早いバスケットで得点を重ね、相手を突き放す。前半を終えて、55-32と大量リードを奪った。
後半に入っても三河のペースでゲームが進む。比江島慎が華麗なステップを披露し、相手ディフェンスを切り裂いていく。最大29点差ついたが、第3クォーターだけ見ると23-20。一方の島根はディフェンスのインテンシティがさらに上がり、オフェンスでもチームアシスト7個といい流れを作っていく。これがラスト10分間に起こった、怒とうの追いあげにつながる。
第4クォーター、序盤から攻守両面においてインテンシティの高いバスケットを展開していく島根。前日大活躍を見せた、相馬卓弥とアル・ソーントンを中心に序盤から追いあげ、点差を徐々に詰めていく。ボールマンへの激しいディフェンスで相手にスコアを与えず、奪ったボールを早く相手コートに展開し、テンポ良く得点を奪っていった。
残り2分30秒には10点差まで迫り、全く読めないゲーム展開。しかし、残り1分に島根がテクニカルファウルをコールされると、三河は与えられたフリースローをしっかりと決め、勝負あり。最終スコア99-85で三河がホームを守った。
激闘後、両チームのヘッドコーチは相手にモメンタムを渡した時間帯を反省しながらも、口をそろえて「いい経験になったゲーム」と語った。両チームのそれぞれの良さがコート上に表れ、そして最後までゲームを諦めず続けることが重要であるというのを実感した40分間。三河は「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」に向けて、島根は「B1 残留プレーオフ 2017-18」に向けて、このゲームが目的を達成するためのキーポイントかもしれない。
文・写真=鳴神富一
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