2018.05.13

やるべきことを遂行し22点差をつけた千葉ジェッツ、全員が口にした「リバウンドと守備への意識」

チャンピオンシップ初戦、川崎を相手に快勝した千葉[写真]=B.LEAGUE
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 ついにスタートした、絶対に負けられない戦い。“ここから先は結果こそすべて”というキーワードの「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017−18」。5月12日、クォーターファイナル大注目カードでもある船橋アリーナでの千葉ジェッツ川崎ブレイブサンダースの第1戦は、予想外の展開を見せ、最終的に22点差で千葉の大勝という結果となった。

 勝利を収めた千葉の面々がゲーム後に口にしたのは「リバウンドとディフェンスへの意識」であった。いいディフェンスは、いいオフェンスを生む。その言葉を大事な最初のゲームで体現したのであった。

 大野篤史ヘッドコーチは「5月2日の川崎との戦いでリバウンドの部分で課題が出て、それにフォーカスして練習をし、今日のゲームに臨んだ。その意味でチーム全員が意思統一してプレーをして、得意の早い展開のオフェンスにつなげられた。さらにディフェンスではハードにプレーする事を実践してくれた。ファールトラブルなどの問題も起こったが、ディフェンスの強度をゲーム中落としたくなかったので、ファールは気にするなと選手には伝えた。オフェンスでもチームでしっかりとバランス良くボールを回して戦い、自分たちが準備してきたことが攻守両面でできたゲームだった」と振り返った。

石井講祐は計11得点に加え、2スティールを奪った[写真]=B.LEAGUE

 その後、出てきた選手たちもディフェンスとリバウンドというキーワードを勝因に挙げたのである。司令塔の富樫勇樹は「レギュラーシーズン60試合戦ってきた結果は裏切らないと思っていて、やってきたことがゲームを通じて表現できたのが勝因。出だしで一気に突き放せたのはチーム全員が気持ちの入ったプレーをして、ディフェンスをしたこと。5月2日に川崎に敗戦したのは今日のゲームに対しては大きかった」と話せば、終盤から好調をキープする石井講祐は「ディフェンスからアグレッシブに戦い、リバウンドをしっかり保持できたのが良かった。それがオフェンスでもいい流れにつながった」と残してくれたのである。キャプテンでもある小野龍猛は「勝因はディフェンスの集中力だと思う。チームとして意思統一ができて、それを40分間継続していたのが良かった」と締めくくってくれた。

「全員が気持ちの入ったディフェンスをしたこと」と勝因を述べた富樫[写真]=B.LEAGUE

 さらには観客動員数リーグナンバーワンのホームアリーナで戦うこと、これも今日のゲームには大きく影響した。「ホームコートアドバンテージというのは大きかった、それを改めて感じたゲームだった」(富樫)、「本当にファン・ブースターに背中を押してもらったと思います。それを自分だけではなく、選手・チームスタッフ・フロントスタッフ全員が声援を背にプライドを持って戦えた」(大野HC)と、チームの目標の一つであったホームアリーナでチャンピオンシップを戦うことに喜びを感じていたのである。

 しかし、2勝しないと意味がないのがクォーターファイナル。選手たちは全く気を緩めていない。昨シーズンのクォーターファイナルでの悔しさを覚えているからだ。「明日も同じことを出だしから集中してプレーすることが最優先」(小野)と真剣な表情で語れば、「明日勝たないと意味がない」(石井)、「徹底して今日やった事を明日も出すだけ」(富樫)と気を引き締めていた。

第1戦は快勝したが、選手たちは続く2戦目へ気を引き締める[写真]=B.LEAGUE

 第2戦は満員御礼という最高のホームコートアドバンテージを得られるであろう千葉。第1戦と同じディフェンスでの強度を持って、どんな状況でも自分たちのスタイルを貫くことが勝利への近道となるであろう。

文=鳴神富一

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