2018.05.13
5月12日から、レギュラーシーズンを勝ち抜いた8クラブによるBリーグ王座を懸けた激闘、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」が幕を開ける。そこでバスケットボールキングでは、よりチャンピオンシップを楽しんでもらえるよう、さまざまな企画を用意。ここでは同メディアで活動してくれているライター陣とともに、今シーズンにおける各クラブの振り返り、チャンピオンシップに向けての展望を紹介する。
昨シーズンリーグ最速の地区優勝(中地区)を果たし、レギュラーシーズン49勝11敗という素晴らしい成績でチャンピオンシップに突入した川崎ブレイブサンダース。今季は強豪ぞろいの東地区への移動もあり、昨季ほどの勝率は挙げられていないが、4月7日に2季連続のチャンピオンシップ出場を確定させている。
北卓也ヘッドコーチが今季の振り返りとして挙げたのは、4番ポジション(パワーフォワード)を務める鎌田裕也、野本建吾の2選手の成長だ。
オンザコート1の時間帯で大きな貢献を果たした帰化選手のジュフ磨々道が引退し、ライアン・スパングラーと永吉佑也が退団。昨季は三番手以下の起用だった鎌田と野本だが、アシスタントコーチ陣との練習と実戦を経て、徐々にチームにフィットするようになった。
鎌田は体の幅を生かしてフィジカルコンタクトで外国人選手を苦しめ、野本はスピードとクイックネスでマッチアップする選手とのギャップを作る。2人の大型選手は、辻直人やニック・ファジーカスにマークが集中しノーマークになる場面でも、自信を持って思いきりのいいシュートを決められるようになってきた。「試合に出て自信がついてきたということと、試合の映像で今何が必要かを納得させて練習に取り組めたことが、伸びてきた要因だと思います」と北HCは話す。
序盤の交流戦を経て、同地区の対戦が始まった中盤以降は、篠山竜青と辻の日本代表召集も重なった。篠山は「(中盤は)記憶がほぼないくらい目まぐるしかった印象」と振り返るが、過密スケジュールでも欠場することなく試合に出続けたことは大きな自信となっているという。
「東地区で揉まれることで谷口(光貴)や鎌田、野本が伸びたし、個人的にもディフェンスの細かい部分やコントロールなど、スタッツに現れない部分で着々と成長しているという手ごたえがあります」
一方の辻も、過密スケジュールの中でもさほど大きな浮き沈みなく、好調を維持した。代表活動で、以前から悩まされていた腰痛に対する指導を受けられたことも大きい。
さらに最近はシュートフォームの改善に着手し、成功。「シュートが入るかどうか、とにかく不安だった」と振り返る第29節の栃木ブレックス戦で1戦目は9本中6本、2戦目は4本中3本という非常に高い確率で3ポイントを決めている。「まだ時々よくないクセが出てきてしまうので、チャンピオンシップに向けてしっかり準備していきたい」と話す辻のコンディションは、「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」に向けてますます上昇していきそうだ。さらに4月26日には、驚くべきニュースが飛びこんできた。昨季のレギュラーシーズンMVPで、得点王に輝いたニック・ファジーカスが帰化し、日本国籍を取得。第30節第1戦で負傷した篠山がどのタイミングで復帰してくるかは明らかではないが、Bリーグ最強外国人の“日本人化”は昨季ファイナルのリベンジに燃えるチームにとってこれ以上ない朗報となり、対戦チームにはこれ以上にない打撃になるだろう。
文=青木美帆
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