2024.05.07
レギュラーシーズン上位8チームによる「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24」がいよいよ幕を開ける。本稿ではチャンピオンシップの出場チームを紹介。3チーム目は大会連覇を目指す琉球ゴールデンキングスをピックアップする。
悲願のB1王者となり、追われる立場で挑んだ今シーズン。琉球の桶谷大ヘッドコーチは、チャンピオンシップ出場を決めたホームの佐賀バルーナーズ戦で「ノーマークだった今までとは違い、対戦チームは王者を倒そうとリスクを追って立ち向かってきた。難しい戦いばかりだった」と吐露した。
琉球は今シーズン開幕前に千葉ジェッツからヴィック・ローを獲得。昨シーズンの千葉Jでレギュラーシーズン過去最高勝率に大きく貢献したローの加入により、琉球はB1優勝候補筆頭と目された。さらにシーズン中盤にはアレックス・カークが帰化選手となり、“スリービッグ”戦術が可能になった。しかし、盤石と思われたチームは綻びを見せる。
琉球は12月の第11節で西地区単独首位に立つが、1月は2度の2連敗もあり4勝5敗と波に乗れず。昨シーズンファイナルの再戦となった3月の天皇杯決勝では、千葉Jに48点差の大敗。西地区首位はキープし続けるものの、4月には勢いに乗る西地区2位の名古屋Dに連敗してゲーム差「1」に肉薄され、西地区優勝の行方は最終節までもつれ込むことになった。
今シーズンは、宇都宮やA東京に1勝1敗、三遠には2勝と、地区上位チームに互角以上の成績を残すが、地区中位以下のチームに主導権を奪われて敗戦することも多く、強さの一貫性が薄れてきている。チームの中心選手である今村佳太も「自分たちのやるべきバスケットボールを、試合をとおしてやりきれていない」と危機感を口にする。
琉球の連覇は「自分たちのバスケットボール」をもう一度チーム全員で遂行できるかにかかっている。お互いを信頼し、粘り強く足を動かし、必死にルーズボールに喰らいつく。王者としての驕りを捨て、チャレンジャーとして戦い抜けるか。キングスの“団結の力”が試される戦いが始まる。
■KEY PLAYER/PG・SG #14 岸本隆一
今シーズンは第35節終了時点でチーム唯一の全試合先発出場。勝負を決めるクラッチタイムでは代名詞となった超長距離3ポイントシュート“ココナッツスリー”で何度もチームを救ってきた。3ポイントだけではなく、切れ味鋭いドライブから外国籍ビッグマンへアシストを供給する。
bjリーグ時代を含め、キャリアすべてでポストシーズンを戦ってきた岸本は、優勝を決める短期決戦はレギュラーシーズンとは別物だと強調する。「レギュラーシーズンの良かったことや悪かったことのすべてが、チャンピオンシップでは関係なくなる。苦しかったシーズンを皆で戦い抜いたことを、自分たちの自信に変えてチャンピオンシップにぶつけたい」。岸本の長いキャリアで未だ成し遂げたことのないシーズン連覇。ベテランとなった“ミスターキングス”が連覇に挑む。
文=アウトナンバー編集部
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