2018.10.05

大型補強に踏みきった富山グラウジーズ、因縁の対決は多彩なオフェンスで先手を取りたい

富山vs横浜は富山市総合体育館で開催[写真]=山口剛生
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

富山グラウジーズvs横浜ビー・コルセアーズ(@富山市総合体育館)
第1戦:10月6日18時5分~、第2戦:10月7日13時5分~

 2シーズン連続で残留プレーオフに回り、昨季はB2との入替戦まで経験。今季の飛躍を期する富山グラウジーズが大型補強に踏みきった。ヘッドコーチには、NBL時代のトヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)でリーグ制覇の経験があるドナルド・ベック氏を招へい。選手も水戸健史宇都直輝ら4人を残して大きく入れ替える形となった。昨季京都ハンナリーズのチャンピオンシップ進出に大きく貢献したジョシュア・スミスのほか、阿部友和船生誠也レオ・ライオンズなど期待値の高い面々だ。外国籍選手は2名のみだが、210センチの青野文彦や200センチの山田大治の獲得で日本人選手のサイズはアップ。今季は外国籍選手を2名までしかベンチ登録できないが、その新ルールで生じるリスクを最小限で食い止めることができるロスター構成となっている。

 その富山の開幕節は、同じく2シーズン続けて残留プレーオフに回った横浜ビー・コルセアーズとの対戦。富山同様に低迷からの脱却を図る今季は、昨季アドバイザーを務めたトーマス・ウィスマン氏がHCに就任。竹田謙川村卓也を率いて旧JBLのリンク栃木ブレックス(現栃木ブレックス)にリーグ優勝をもたらしたその手腕には大きな期待がかかる。日本人選手に大幅な血の入れ替えはなかったが、チーム創設から7シーズンにわたって活躍してきた蒲谷正之信州ブレイブウォリアーズ)と山田謙治広島ドラゴンフライズ)を放出したことは、チーム改革への強い決意の表れとみていいだろう。また、新たに獲得したエドワード・モリスの帰化が開幕に間に合い、ルール変更により実質オンザコート3も可能な布陣となったことは大きい。

 2シーズン続けて残留プレーオフ2回戦で相まみえた両者。橋本尚明小原翼が富山から横浜に移籍したこともあって、因縁の対決ともいうべき顔合わせがいきなり開幕節に組まれたことになる。宇都だけでなくスミスやライオンズもオフェンスの起点となる富山は、その多彩になったオフェンスで先手を取りたい。逆に横浜としては、特にスミスをどう守るかが難しくなるところ。モリスと新外国籍選手のチャールズ・ガルシアがファウルトラブルに陥らないよう、チームディフェンスを工夫する必要があるだろう。

 もう1点、注目したいのが同級生対決だ。富山の青野と横浜の竹田は青山学院大学4年次にインカレ初制覇を経験。この10月に40歳の誕生日を迎える“不惑”の2人が試合にどのような影響を与えるか、ベテランの存在感に期待したい。

文=吉川哲彦

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