2018.11.25

課題が残る中でもしっかりと勝ちきった琉球ゴールデンキングスが西地区首位を守る

14勝5敗で西地区首位を走る琉球[写真]=鳴神富一
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 大型補強により今シーズンも大注目の琉球ゴールデンキングス。11月24日に横浜国際プールで行われた横浜ビー・コルセアーズ戦では終盤相手の追いあげに遭いながらも75-58で逃げきり、西地区首位を守る結果となった。

 前日の大勝から相手がよりアグレッシブに来ることを想定し、非常に高いディフェンス意識を持って戦いながらゲームを展開していく。第3クォーターでは最大22点差を付けたが、注意していたジャボン・マックレアのインサイドを中心に細谷将司田渡凌のガードコンビが牙を剥き、横浜がじりじりと追いあげを見せる。それでも点差を1ケタに詰めさせず、最終的にはディフェンスで相手を連日の60点以下に抑えた。

存在感を増している岸本[写真]=鳴神富一

 試合後の佐々宣央ヘッドコーチは2日間連続で相手を60点以下に抑えた快勝というゲームにも関わらず、課題中心のコメントでゲームを振り返った。「リバウンドで負けてしまっていること、さらには自分たちのターンオーバーが相手よりも多かったことがゲームをタフにしてしまった要因だったと思います。ディフェンスでしっかりと相手の強みをつかんで流れを作らせないという部分では今回集中して戦ってくれたと思います。自分たちは非常にガード陣が小さいと言われている中で相手のガード陣に今日はやられてしまいました。ただし、昨日大勝した中でスタートで出たメンバーがゲームの出だしでしっかりとトーンを高く持って戦うという責任を果たしてくれて、少しゲーム中に下り坂の状況になっても耐えることができました。課題が非常に出たゲームで、戦術云々以上に自分たちがチャンピオンになるぞという気持ちを持って戦うことがまだまだできていないというのが正直出てしまった感じです。自分たちはチャレンジャーであって、1つのミスから落ちこんでずるずるとそれが続いてしまうという現象が今日も出てしまいました。そういう部分は今後の課題だと感じています。まだまだ成長段階の中で天皇杯を挟んで、次の栃木(ブレックス)戦でも何か1つでもチームをいい状況に持っていければと思います」

古巣に復帰しアシストを量産している並里[写真]=鳴神富一

 この日も重要な局面で3ポイントシュートを沈め、流れを変える男に変貌しつつある岸本隆一は安堵の表情を浮かべつつ「自分たちは昨日大勝した上で相手の立場を考えると今日はエナジーを出して戦ってくると思っていて、非常に難しい試合になるのはわかっていました。 今日は良くない時間帯も多かったですけど、どういう状況であってもこの点差で勝てたということはすごく良かったかなと思います」を振り返る。

 4シーズンぶりに地元沖縄の地に舞い戻り、現在アシストランキングで首位を独走する日本バスケ界のファンタジスタである並里成は「相手が攻守両面においてアグレッシブに来ていてそこに戸惑った部分はあったんですけど、ディフェンスだけは集中を切らさず自分たちのやるべきところをやろうとしたところが良かったかなと思います」とキーであるディフェンスが機能したことをポイントに挙げた。

 現在67.3失点とリーグナンバーワンのディフェンス力を誇る琉球。個々のタレントは非常に高いものの、その力をチームで結束してディフェンスという形で表現しているのが首位を守っている要因であろう。彼らの強固なディフェンスが継続されれば、チームのスローガンである「勝気」で悲願のチャンピオンを獲得する夢は近づいていく。そう感じたゲームであった

写真・文=鳴神富一

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