2024.06.18
5月26日、『日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24』ファイナルの第2戦が横浜アリーナにて行われた。試合は、第1戦で敗れて琉球ゴールデンキングス(西地区2位)に王手をかけられていた広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード上位)が72−63で勝利。勝敗を1勝1敗のタイに戻し、逆王手をかけた。
第2クォーターではジリジリと琉球の追い上げに遭い、30−34と終盤に逆転を許して前半を終えたが、「今日はディフェンスのコート上でのコミュニケーションが素晴らしかった」(エバンス)というディフェンスが後半も機能。一進一退の展開となる中、第4クォーター序盤には要所を締めるシュートでリードを広げると、広島がそのままペースをつかむ。
そして残り4分32秒では琉球の戦意をくじくような山崎稜の3ポイントシュート。これは、リバウンド争いのこぼれ球をニック・メイヨが前にいる中村拓人へ弾き、ボールを保持した中村がリングに向かって切り込むと、最後はディフェンスを交わしながらノーマークの山崎にパスをしたプレーだったが、この好プレーに広島のブースターは大盛り上がり。一気に流れは広島へと傾き、そのまま広島が琉球の追い上げを振り切り、試合終了を迎えた。
「シュートが上手い選手なので『入るな』と思っていましたし、信頼関係というか、僕自身はノーマークであったらどんどんパスを出したいと思っていて、常にそういう話はできています」と、山崎のシュートについて語ったのは、シュートをお膳立てした司令塔の中村。中村は、第2戦ではゲームメークだけでなく、「ノーマークであれば強気で思い切ってうとうと思っていた」と、自らも積極的にシュートを放って13得点。勝利に大きく貢献した。
「タフなバトルでした。昨日(第1戦)の後半のような出だしを(今日は)前半から出していけたと思います。そういったリズムが出だしから作れたので、私たちは40分間、自信を持ってそれを続けられたのだと思います」と、記者会見の席で語ったのは広島のカイル・ミリングヘッドコーチ。さらに「今日はリバウンドがメイン。第1戦で琉球にやられたが、今日は(アイザイア)マーフィーらガード陣がアグレッシブにリバウンドをやってくれた」と、指揮官はディフェンスのみならず、要所でのリバウンドも勝因に挙げていた。
ワイルドカードから『下剋上』と言われる戦いぶりでファイナルまでたどり着いた広島。初のファイナルでも堂々とした戦いを見せ、初優勝まであと一つなった。もちろん、第3戦は第2戦のようにはいかないだろう。
今シーズンをもって現役引退を表明している広島のリーダーである朝山正悟は、幾多の経験を重ねてきた選手。その朝山も「今日は最高のゲームができた」と振り返りつつ、「ここまで来たら自分たちのやるべきことも分かってますし、琉球さんがどうやってくるかも分かっているので、自分たちとしては最後やり切るだけだと思います」と、第3戦に向けて気を引き締め直す。
第3戦は朝山自身にとっても現役最後となる試合。「本当のラストになると思うので、昨日は琉球さんが勝って、今日は自分たちが勝った。最後は日本のバスケット界が勝利になれるような、そんな最高のゲームができたらなと僕は思います」と、笑顔を見せた。
文=田島早苗
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