2019.05.30

2019年の男子注目選手(22)木村拓郎(明成)「試合の流れも読む、全国屈指のハッスルプレーヤー」

身を犠牲にしてチームを支えるパワーフォワードの木村[写真]=三上太
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

4月から新学期がスタートし、高校バスケ界では各チームにルーキーたちが加入。昨年の1、2年生も学年が1つ上がり、ここから本格的なチームづくりを図っていく。今回、バスケットボールキングでは2019年に注目すべき選手を独自にピックアップした。

■男子注目選手(22)木村拓郎(3年/明成高校/宮城県)

 明成高校の木村拓郎は自他ともに認めるチーム随一の、いや、全国でも屈指のハッスルプレーヤーである。

 圧倒的に身体的な差が大きい留学生を相手にしても体を張り続け、リバウンドに食らいつき、誰もがあきらめそうなルーズボールも木村にかかれば、審判の笛が鳴るまでは追いかけるべきボールとなる。「僕は技術がまったくないので、気持ちだけは絶対に負けないってことを中学の先生から教えてもらいました」。本人はそう原点を語るが、中学時代の教えを今も忘れず、明成のバスケットでも大いに活かしているところが木村の最大の魅力と言っていい。継続は力なり、である。

 本人は「オフェンスの技術は全然ダメ。シュート力もさらにつけていきたい」と課題を語るが、ミドルジャンパーや、フィジカルの強さを活かした力強いステップからのシュートはチームに欠かせない得点源でもある。オフェンスリバウンドにも絡んでくるため、相手チームにとっては決して“捨てる”ことのできないプレーヤーである。

 さらに最上級生となった今年、木村は新しい挑戦も始めている。5月の能代カップで散見されたのだが、パワーフォワードながらゲームの流れを読み、次のプレーコールをしていたのだ。ポイントガードの越田大翔がまだそのポジションに不慣れということもあるだろう。その一方で、もはや木村が“気持ちだけの選手”ではないことも物語っている。

最上級生になり、次のプレーを指示するようにもなった[写真]=三上太

「自分はこれまであまり考えることをしてこなかったんですけど、今の立場だとそうは言っていられません。自分はガードではありませんが、これからはバスケットを作ることもしながら、ガードを支えていきたいです」

 佐藤久夫コーチの言葉を常に真正面から、決して目をそらさずに聞いてきた木村だからこそできるサポートが、下級生の多い今年の明成を全国の上位へ導くに違いない。

写真・文=三上太

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