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2月9日、小瀬スポーツ公園体育館で「令和元年度 第30回関東高等学校バスケットボール新人大会」の男女準決勝と決勝戦が開催。女子決勝戦では東京成徳大学高校(東京都)と昭和学院高校(千葉県)が対戦した。
3年ぶりの優勝を目指す東京成徳大は、準決勝で初のベスト4進出を果たした桐生市立商業高校(群馬県)に50点差をつける圧勝。対する昭和学院の準決勝は、八雲学園高校(東京都)相手に第1クォーターで10点ビハインドを背負ったが、後半20分間で42ー22と盛り返して決勝へ勝ち上がった。
決勝戦第1クォーター、東京成徳大は速い展開から得点を挙げて先行するも、「1クォーターからオフェンスリバウンドをガツガツ取られてしまった」と遠香周平コーチの言葉通り、相手にセカンドチャンスを与えてしまう。しかし、3点をリードして第2クォーターを迎えると、同クォーターは⻘野美玖(2年)が個人技で打開し序盤で24-19。対する昭和学院も三田七南、中村帆香(ともに2年)のアウトサイドシュートなどで反撃して互いに譲らず。前半は30-29の東京成徳大1点リードで試合を折り返した。
後半の先制点を許し逆転された東京成徳大だったが、スティールからの連続得点で流れを引き寄せると、山田葵(2年)の3ポイントも飛び出し点差を2ケタに広げる。終盤はやや停滞したが、第3クォーター最後の攻撃で古谷早紀(1年)のレイアップが決まり、56-44で最終クォーターへ。
追いつきたい昭和学院。しかし、東京成徳大が立ち上がりから4点を積み上げて勝負を決めにかかる。その後は粘る昭和学院に対し、落ち着いた試合運びで反撃をしのいだ東京成徳大が10点前後の点差をキープ。最終スコア77ー63で勝利を収めた。
「能力は向こうの方が数段上」と遠香コーチが分析する相手に対し、最後まで足を止めずに走り抜いた東京成徳大の選手たち。この勝因については「相手よりも意地があったかな」と指揮官も目を細めたが、「まだまだリバウンドとルーズボールの意識が足りない。そこがいちばん大事な部分」と今後へ警鐘を鳴らした。
一方、敗れた鈴木親光コーチは、「自分たちのパスミスから簡単に勢いを与えてしまった」と15ー26とされた第3クォーターを振り返り、今大会をこう総括。
「まだまだ発展途上の選手たちなので、繰り返し試合をして、ミスをして、それを自分たちで吸収してやっていかないといけない。今回はいろんな勉強をさせてもらいました」
そして、決勝で相まみえた両コーチは、すでに次を見据えているかのように異口同音に述べた。
「まだ始まったばかり」。
東京成徳大は東京都予選で八雲学園と2点差の接戦を繰り広げており、昭和学院も今大会の2回戦では白鷗大学足利高校(栃木県)に最後まで苦しめられた。昨年優勝校のアレセイア湘南高校(神奈川県)を挙げれば、今回は初戦で姿を消している。
今後も、関東の覇権争いは熾烈を極めそうだ。
写真・文・取材=小沼克年