2020.02.06

東北新人決勝で27得点、オールラウンダーを目指す郡山商業のエース円谷愛加

チームの中核を担う円谷愛加[写真]=小永吉陽子
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

 東北新人大会を7年ぶりに制した郡山商業高校。上背こそないが、全員が豊富な運動量でかき回し、激しいプレッシャーディフェンスを仕掛けるバスケは今年も健在。加えて、昨年から出ているメンバーが多く、タイムシェアできるほど選手層の厚さを持つ。東北新人の決勝、聖和学園戦では、昨年からチームの中核を担う須釜心(すがま・こころ)と円谷愛加(つむらや・まなか)の2本柱が期待通りの活躍で優勝に導いた。中でも、決勝で27得点を叩き出した円谷のオールラウンダーぶりが光った。

 チームの中ではサイズがある173センチのため、これまでは高い身体能力を活かしたリバウンドと得点が目立っていたが、ここに来てボール運びに参戦するようになり、アウトサイドの得点も増えている。 

 円谷の将来性について松本理コーチは「全国に出れば173センチは決して大きなほうではありません。インサイドにこだわらず、何でもできる選手に育てたい。またチームカラーが走るバスケなので、走ることも徹底した選手になってほしい」と語る。自身も「基本はセンターの動きをするけれど、中も外もできる選手になりたい。背の高い相手にまさるには運動量で勝つしかないので、これからも走る練習を徹底して、走れるオールラウンダーを目指します」と目を輝かす。

須釜(右から2人目)は郡山商業を支えるもう1人の柱[写真]=小永吉陽子

 また、もう一人の柱である須釜について、円谷は絶大な信頼を寄せている。

「須釜さんは私が得点を取れない時や、チームが苦しい時に点を決めてくれる頼もしい存在。私たちは全員バスケのチームですが、特に今年は私と須釜さんが引っ張っていかなければならない」と今年にかける意気込みは強い。

 郡山商業は3年前も6月の東北大会を制覇し、地元福島開催のインターハイに乗り込んだが、2回戦で敗退。今年は3年前を上回ることを目標にしている。

「全国ベスト8が目標なので、自分がオフェンスでは得点を取って、ディフェンスでもリバウンドを取って貢献し、チームの大黒柱として支えられるように頑張りたい」

 高い目標を掲げる1年がスタートした。オールラウンダーを目指すとともに、勝利に貢献すべくエースは燃えている。

文・写真=小永吉陽子

BASKETBALLKING VIDEO