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2月1日から2日にかけて、青森市のマエダアリーナにて「第30回東北高等学校男女新人バスケットボール選手権大会」が開催された。女子ベスト4は郡山商業高校(福島1位)、聖和学園高校(宮城1位)、柴田学園高校(青森1位)、横手城南高校(秋田1位)の顔ぶれとなり、昨年からのメンバーがそろう郡山商業が選手層の厚さを発揮して7年ぶり2度目の優勝を果たした。
郡山商業は予選リーグで明成高校(宮城2位)との大接戦を47-45で制して勝ち上がってきた。「明成の球際の強さと執念には勉強させてもらった。明成に勝ってから選手たちが今まで以上にディフェンスや球際で頑張るようになり、気持ちが強くなった」と松本理コーチは語り、明成とのタフな一戦を制したことを機にチーム力は向上していった。
対して、もう一方の決勝進出の聖和学園も宮城県の決勝では明成と大接戦を展開している。地区大会では明成に大敗したが、県の決勝では巻き返しを図って終盤に逆転し、3点差で勝利。そこからチームが上向き、東北新人戦でも連勝を重ねて決勝に進出したのだ。
前半はお互いにプレッシャーディフェンスから持ち味を出す展開。郡山商業が円谷愛加、須釜心といった昨年からの中心選手が得点を重ねて先手を取る中で、聖和学園もガードの丸山輝瑠、得点源の中野麗を中心に食らいつき、34-26で郡山商業がリードで折り返す。
試合の流れが変わったのは後半。郡山商業は選手交代を頻繁に行う中で、全員がリバウンドに飛び込み、速攻に走り、めまぐるしく動いてオープンチャンスを作って得点を重ね、まさしく、予選リーグの明成戦での苦戦を教訓にした内容を披露。
「今年はタイムシェアできる選手たちがいるのが強みで、予選リーグに出ていなかった選手も決勝に出すことができた」と松本コーチが言うように、突き放した第3クォーターの中盤はエースの須釜がベンチに下がっていたほどの選手層の厚さを見せた。後半の出足からつかんだ流れを離すことなく、最後まで走り切った郡山商業が71-52で勝利。東北新人戦を7年ぶりに制覇した。
今年の東北新人は上位の顔ぶれが変わった。あと一歩のところで勝ち切れなかった明成、地元青森開催で奮闘した柴田学園、昨年度東北チャンピオンの湯沢翔北を県で破った横手城南らの健闘も光り、今後の成長が期待できるチームが浮上した大会となった。
優勝した郡山商業は全国に出れば上背がないチームであるが、昨年から試合に出ている選手が多い経験値と運動量は全国でも武器となるだろう。「まだまだ可能性がある選手たちなので、ここで満足せずにいろんなことができて、決めるべきシュートを決め切れるチームにしたい」と松本コーチは意欲を燃やしている。
文・写真=小永吉陽子