2022.06.07

東海大付福岡が4年ぶりにインターハイ出場…福岡大附若葉との接戦を制す

優勝に喜ぶ東海大付福岡の選手たち[写真]=田島早苗
フリーライター

 一つの出場権を懸けたインターハイ福岡県予選の女子決勝。昨年覇者の福岡大学附属若葉高校と、197センチのファール・アミナタ(3年)を擁する東海大付属福岡とが激突した。

 試合序盤、アミナタのリング下のシュートで東海大付福岡が幸先良いスタートを切ったが、その後は、福岡大附若葉の山下莉来、柿元舞音(いずれも3年)の果敢な攻めにファウルを犯してしまう。逆に福岡大附若葉は、そこで得たフリースローで加点。第2クォーターには東紅花(2年)や山下の3ポイントシュートが決まり、前半は福岡大附若葉が31-24と7点のリードを奪って終えた。

 後半に入っても、東の3ポイントシュートに柿元のフリースローと連取した福岡大附若葉が先行。しかし、ここから東海大付福岡はプレスディフェンスで対抗すると、これが功を奏し、福岡大附若葉のミスを誘っていく。攻めては赤間静夏、稲次菜々子(いずれも3年)が3ポイントシュートを沈めて点差を縮めると、第3クォーター残り4分半にはキャプテン藤本愛香(3年)のドライブからのシュートが決まって、福岡大附若葉を捉えた。

 だが、第3クォーター終盤には、東に3ポイントシュート、古川莉緒(3年)の合わせからのシュートなど意地を見せる福岡大附若葉の前に再びリードを広げられた東海大付福岡。それでも第4クォーターに入ると、福岡大附若葉の得点が伸びない間にアミナタのリバウンドシュートや福田さくら(3年)のドライブからのシュートで得点を挙げていく、そして残り5分半には、浜口さくら(2年)の3ポイントシュートで再び逆転に成功した。

 その後は互いに点を取られたら取り返すシーソーゲームの展開に。それでもフリースローで着実に得点を重ねた東海大付福岡がわずかにリードを奪うと、最後は相手の攻撃も防ぎ、67-65と僅差で接戦をモノにした。

福岡大附若葉は、柿元が攻防において活躍を見せたが一歩及ばず…[写真]=田島早苗


「決勝では、自分たちがどう盛り上がっていけるのかということがテーマだったので、戦術というよりはメンタルのところ。気持ち良くバスケットをして、ダメだったら私が修正すると選手には話をしていました。そういった意味では、(選手たちが)思いっきり個々のパフォーマンスを発揮してくれたと思います」と試合を振り返ったのは東海大付福岡の宮崎優介コーチ。

 今年の東海大付福岡は、1年生の頃から主軸を担うアミナタに加え、「昨年まであまりプレータイムがなかった3年生たちをゲームの中でどう生かしていくか」(宮崎コーチ)を考えながらチーム作りを行ってきた。決勝ではその3年生たちが躍動。藤本、稲次がアグレッシブなディフェンスで流れを変える働きを見せれば、福田や赤間らは積極的にリングに向かった。「自分の役割を理解して戦ってくれました」と宮崎コーチは、勝利に欠かすことのできなかった3年生たちを手放して称えていた。

思い切りの良いシュートで流れを呼んだ東海大付福岡の赤間[写真]=田島早苗


「ディフェンスのところ、ローテーションが上手くできたと思いますし、コミュニケーションも取れていました」と試合を振り返ったのはエースのアミナタ。自身では初となるインターハイに向けては、「ポストのところでの面取りやリバウンドなどを頑張っていきたいです」と意欲を見せていた。

 写真・文=田島早苗