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『B MY HERO!』
今年の中部大学第一高校(愛知県)において、エースを張るのは背番号5の坂本康成(3年)だ。昨年からスターターとして主力を担い、北信越インターハイでは決勝で6本の3ポイントシュートを沈めて初優勝の立役者となった。
坂本の最大の魅力は高確率で射抜く3ポイント。しかも194センチのサイズがあり、3ポイントラインから離れた“ディープスリー”も決めることができる。今夏のインターハイはベスト4で涙をのんだが、戦った4試合で46.4パーセント(28本中13本成功)の高い3ポイント成功率を残し、U18日本代表にも名を連ねた。
昨年までの坂本は、ピュアシューターという印象が強かった。しかし、最上級生となった今年はドライブからのレイアップや高さを生かした得点パターンも増え、より的が絞りづらい選手へと進化。それはインターハイ後に行われた「U18日清食品トップリーグ」でも見て取れた。全国の強豪校と凌ぎを削った同リーグ戦、坂本はチームトップかつ全体5位の平均17.4得点をマーク。だが、3ポイントに目を向けると、計7試合で44本打って11本の成功と決して良いとは言えない数字であった。つまりは3ポイントラインの内側からスコアを伸ばしており、シューターから内外問わず得点を稼ぐスコアラーへと、着実に成長を遂げていると言えるだろう。
インターハイ連覇を逃したこの夏、中部大第一のエースは「ファストブレイクからのシュートと3ポイントも決めきることができたので、全体的に得点力は発揮できたと思います」と、自身のオフェンスに関しては手応えを口にした。一方、ディフェンスとリバウンド、リーダーシップの部分では力のなさを痛感したようで、ウインターカップへ向けて再起を誓った。
「ディフェンス面で確実にボックスアウトをして、リバウンドで負けないようにしなきゃいけないです。1対1のディフェンスも課題ですし、練習から意識して取り組んでレベルアップしたいと思います。あと、負けている場面で声が出なくなってしまったので、もっと声を出してチーム力を上げられるようにしたいです」
悲願のウインターカップ初優勝へは、今まで通り坂本が得点源として活躍することはもちろん、ディフェンスや泥臭いプレーでもチームを救えるかが問われるだろう。シューターからスコアラーへの進化を経て、その先の攻守両面で奮闘するオールラウンダーとなれるか。覚悟が決まれば、あとはやるだけである。
文=小沼克年