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「まずはインサイドでしっかりと得点が取れるプレーヤーになってから、次は自分がなりたいオールラウンダーという理想像があると思いますので、そこに向けて2年、3年とステップアップしてもらいたいです。今回、父としても指導者としても彼にとって今後に繋がる大会になることを祈っていた部分がありましたので、これから大いに期待していきたいなと思います」
2021年のウインターカップで、その父であり指導者でもある大舘慶徳コーチが息子へ向けて送った言葉だ。その期待通り、大舘秀太(2年)は1年前とは明らかに違う姿で全国の舞台に戻ってきた。
大舘は199センチの高さを誇るビッグマン。昨年もウインターカップのコートに立っているが、当時は1年生だったこともあり動きがぎこちなく、主にインサイドでプレーしていた記憶がある。しかし今年は、スモールフォワードでのポジション登録が示すように、コートを縦横無尽に駆け回り、柔らかなジャンプシュートや軽快にダンクを叩き込む大舘がいた。
この1年間、どの部分を一番レベルアップしてきたのかと本人に聞くと、大館は走力だと答えた。
「去年のウインターカップが終わってから、走ることはずっと意識して続けてきました。走れるようにならないと得点も生まれないですし、チームの雰囲気も悪くなってしまうので、去年のウインターカップから比べるとそこが一番変わったと思います。『コートラン』という練習メニューがあるんですけど、コート50周を1周18秒以内に走り続けなくちゃいけなくて、それを主に取り組んできました。そのおかげで去年よりも走れているなと感じています」
前回大会はベスト8進出を果たした金沢高校は、今年はその手前のベスト16で大会を去ることになった。しかし、大館は1回戦の東北高校(宮城県)戦で25得点10リバウンド4ブロック、新田高校(愛媛県)との2回戦では27得点20リバウンドというスタッツを記録。今年最後の試合となった帝京長岡高校(新潟県)との一戦では11得点8リバウンドに留まったが、3試合の平均で21.0得点12.7リバウンドをマークした自身2度目のウインターカップをこう総括した。
2年生ながら、すでに複数の大学チームから熱視線を送られている逸材は、近い将来、日本を驚かすプレーヤーになっているかもしれない。今大会で大舘秀太が残したインパクトは、それくらい大きなものだった。
取材・文=小沼克年