Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
12月27日に行われた「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子準々決勝4試合は、熱戦に次ぐ熱戦が繰り広げられた。
4つのシード校のうち3チームが敗れる波乱の連続となり、28日の準決勝は土浦日本大学高校(茨城県)vs福岡大学附属大濠高校(福岡県)、藤枝明誠高校(静岡県)vs福岡第一高校(福岡県)に決定。福岡勢は2校とも生き残り、ともに勝ちあがれば4年ぶりにウインターカップの決勝で顔を合わせる。
土浦日大は、インターハイ王者として乗り込んだ第1シードを撃破した。日本航空高校(山梨県)との準々決勝では、試合開始からエースの齋藤翔太を中心に立て続けに3ポイントシュートを浴びせ、第1クォーターで38−20。その後は一時リードを許したものの、最後の10分間で37得点を積みあげて9点差で競り勝った。
相手の要であるオルワペルミ・ジェラマイアには38得点23リバウンドを献上。だが、199センチの深澤桜太が数字以上に互角に渡り合い、大川亜哩も18リバウンドを記録してゴール下で奮闘した。
土浦日大はゾーンディフェンスを主体とする相手に、51本の3ポイントシュートを打って対抗。「今日は40本以上3ポイントを打とうとしていました」と佐藤豊文コーチはゲームプランを明かし、ジェラマイアへの守備については「深澤に任せました」と全幅の信頼を寄せたという。
ベスト4進出は、決勝まで進んだ2015年以来。ともに日本人のみで構成された福大大濠との一戦へ、佐藤コーチは「いけると思います」と自信をのぞかせた。
準決勝で顔を合わせる土浦日大について片峯コーチは、「本当にタフに戦ってくるチーム」と印象を述べる。福大大濠はゾーンディフェンスて相手を揺さぶる戦術を持つが、「土浦さんからするとありがたい展開になってしまうかもしれません」と分析。指揮官は「タフなディフェンスのやり合いになると思います」と、あくまで泥臭く戦う構えだ。
27日の第5試合に行われた東山高校(京都符)vs福岡第一は、最後の最後で福岡第一が試合をひっくり返した。序盤からペースを握られた福岡第一だが、強度の高いディフェンスを保って徐々に点差をつめ、残り3分で10点ビハインド。「残り3分で10点差という練習はよくやっているので」(井手口孝コーチ)と想定済みの展開に持ち込むと、そこから9−0のランを作って1点差まで詰め寄った。
そして残り27秒、崎濱秀斗が会心の一撃と言える3ポイントシュートを沈め、最後は74−71で激闘を制した。最終盤までシュート精度に苦しんだエースだったが、井手口コーチに迷いはなかった。「最後は全部託しました。それまでシュートが入っていませんでしたけど、流石でしたね」。
今年はインターハイ準決勝や「U18日清食品 トップリーグ」などの試合で東山に勝てていなかったが、福岡第一は最後の大舞台でリベンジ。今大会は1回戦から仙台大学附属明成高校(宮城県)との注目カードを制し、準決勝まで辿り着いた。井手口コーチは「ここまでくることができて、いい意味で開き直っています。明日も思い切って試合ができると思います」と笑顔を見せ、準決勝を見据えた。
「開志国際さんは走ってリズムを作る印象が強いので、今日は絶対に走らせたくなかったです。選手たちにも『ロースコアゲームに持ち込むよ』と話していましたし、それを40分間しっかりと徹底できたと思います」
福岡第一とは「U18日清食品 トップリーグ」で顔を合わせ、78−122で大敗した。しかし、試合が行われたのは9月であり、当時はエースの赤間賢人がポイントガードに挑戦中。大黒柱もボヌ ロードプリンス チノンソも欠場した。
文=小沼克年