2023.12.31

福大大濠は準優勝で幕…主将の三輪大和「本当に悔しい」、後輩へは「この1年をバネに」とエール

チームを縁の下で支えた三輪[写真]=伊藤大允
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 4年ぶりに実現した全国大会決勝での福岡県勢同士のライバル対決は、またしても福岡第一高校に軍配が上がった。

 12月29日、大会最終日に行われた「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」男子決勝の最終スコアは53−63。福岡大学附属大濠高校は第1クォーターで9−16、次の10分間では5−22とさらに引き離され、前半に背負ったビハインドが大きく響いた。

「決勝戦という慣れない場ということもありますが、福岡第一さんの3年生の『自分たちの役割を徹底するんだ』という目には見えない圧に我々のメンバーが受け身になってしまいました。その点が非常に悔やまれるところです」

 片峯聡太コーチがそう振り返れば、先発ポイントガードを務めた榎木璃旺(1年)も「第一さんはアジャスト力がすごかったです。自分たちがやりたいことに対してすごく圧をかけてきたので、そこで受け身になってしまいました」と異口同音に話した。

「ここまできたら気持ちの部分が大事。両チームとも連戦を重ねて足に疲れがあるなかで、絶対に走り負けず、強い気持ちを持ってどんどんアタックして巻き返していこうという話をしました」

 3年生の三輪大和は、ハーフタイムでそのような意思疎通を図って後半に臨んだと明かす。相手を追い詰めるまでには至らなかった。だが、福大大濠は第4クォーターで24−11として意地を見せ、その中心にいたのが背番号4の三輪だった。

 ポイントガードの三輪は最後の10分間で8得点をマークし、最終的にチームトップの12得点。「応援してくださる人たちのためにも絶対に勝ちたかったですし、試合を見てくださる方に対しても恥ずかしい姿は見せられないという気持ちでした」と、攻撃だけでなくディフェンスでも最後まで気迫のこもったプレーを示した。

決勝で見せた怒涛の追い上げの中心を担った[写真]=伊藤大允

「絶対に逆転したかったですけど、第一さんのほうが1枚上手でした。自分たちは優勝を目指していたので本当に悔しいですし、チームのみんなや家族、応援してくださった方にも申し訳ないと思っています」

 勝てなかったことに人一倍責任を感じていた三輪は、キャプテンとして今年の福大大濠を引っ張ってきた存在だ。春先には同級生の川島悠翔がさらなる飛躍のためにオーストラリアへ飛び立ち、主力としてコートに立つのは渡邊伶音、湧川裕斗髙田将吾の2年生が中心となった。

 主将としてチームをまとめてきた三輪は、「最初は周りから『経験のないチーム』『そんなに強くない』という声もありましたけど、その悔しさを力に変えました。一人ひとりがコミュニケーションを大事にしてチームの土台を作り直すことからスタートして、チャレンジャーとして戦う意識を強く持って取り組んできました」と、この1年を回顧。三輪を中心とした今年の3年生に対し、片峯先生は大きな信頼を寄せていたという。

「今年は下級生が主体とよく言われますけど、日頃の活動や練習で私が信用して全て任せているのは3年生。今年の我々のスローガンは、“私たち”を意味する『US』という言葉です。川島は抜けましたが、残った3年生17人が『私が、僕が』という主語ではなく、『私たちが、僕たちが』という意識でチームがうまくいくために、強くなるための行動をコート内外で出してくれています。それが1、2年生が思い切ってプレーできる要因になっていると思います」

 ウインターカップ制覇には、あと1勝届かなかった。縁の下の力持ちとしてチームを支えた三輪、そのほかの3年生が抜け、指揮官は求心力を持つ「強烈なリーダー」の誕生を日本一獲得のポイントに挙げる。小・中・高と続けてキャプテンを務めた三輪は、最後にこんなエールを後輩たちへ送った。

「自分たちが抜けても、下級生は下級生なりの“自分たちの色”があると思います。この1年やってきたことをバネにして、楽しみながらチームとしてまとまってほしいです」

取材・文=小沼克年

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