2024.08.02

【インターハイ女子注目校】京都精華学園(京都府)「新方程式で3連覇へとひた走る前回覇者」

インターハイでは3連覇を目指す京都精華学園 [写真]=田島早苗
フリーライター

バスケどころ、福岡市で開催される「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が8月4日に開幕。北部九州インターハイで大会を盛り上げる有力チームを紹介していく。

文・写真=田島早苗

■チーム力を前面に押し出したスタイルで頂点へ

「昨年とは本当に違うチームなので、一人ひとりが意識を持たないと厳しい展開の試合になると思います」

 京都精華学園高校(京都府)のキャプテンである林咲良(3年)は今年のチームをこのように語った。

 インターハイで目下2連覇中の京都精華学園は、昨年までチームを引っ張っていた堀内桜花(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)、八木悠香(ENEOSサンフララーズ)、ディマロ ジェシカ(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)らが今春に卒業。特に堀内と八木は1年生の頃からスターターとして好成績を残していたのだから、林が「昨年と違う」と強調するのも無理はないだろう。橋本芽依、桃井優(ともに3年)らも同様に、昨年のウインターカップを終えた時点で新チームに対しては「自分たちらしく」と、コメントしている。

 そのため、今年は「全国大会では12、3人使えるようにしていきたいと思っています」(山本綱義コーチ)と、チーム力を全面に出した戦いが求められる。そういった点では6月の「第71回 近畿高等学校バスケットボール大会」、京都両洋高校(京都府)との決勝戦は、今年のチームを象徴したような試合内容となった。

 試合は、スターターの3年生たちが波に乗れず、攻防においてアグレッシブに動く京都両洋に序盤からリードを許すこととなった。しかし、この苦しい場面でチームを救ったのが下級生たちで、堅いディフェンスで相手の攻撃を封じると、せめては思い切りの良いシュートで点差を縮めていく。結局、下級生たちの活躍もあった京都精華学園は、逆転に成功して前半を終了。後半も力のある京都両洋に対して接戦を強いられたものの、ここでは3年生たちが踏ん張り最後は2点差で勝利した。

「昨年、中学で全国制覇をした(附属中学校の)3年生たちが高校へ入学し、(附属中学ではない)他の学校から入ってきた選手も含めて新しい風を吹かせてくれています。だから、試合では自信を持って(後輩たちに)つなげることができているし、近畿大会の決勝も自分たちが悪い分、バックアップの選手たちなど全員で結束して戦うことができたので、そこは良かったと思います」と、林は今のチームについて語った。

近畿大会決勝では石井日菜ら1年生の奮闘も光った [写真]=田島早苗


 先にも挙げたように堀内、八木らのように突出した選手は不在だが、互いが互いを助け合うような強さが今年の京都精華学園にはある。それが接戦を勝ち切ることにもつながっているのではないか。

 指揮を執る山本コーチは、「合わせのプレーがまだ十分ではない。ゾーンディフェンスをされたときにオフェンスがうまくいないときがあるし、ディフェンスの当たりが強いときにも行き当たりばったりの攻め方になってしまっている。そういったことをもっと整理していかないかなといけないです」と、近畿大会優勝にもインターハイへの課題を挙げて兜の緒を締める。

 林を先頭に3年生から1年生までが一丸となって臨むインターハイ。京都精華学園は、昨年までとは違ったチームカラーで頂点を目指す。