2023.01.10

2つのビッグプレーで優勝を決めた福岡U15…百戦錬磨の名将のもとでつかんだ初の栄冠

2度目の出場で初優勝を果たした福岡U15。鶴我HC(前列中央)のもと、激戦を勝ち抜いた [写真]=バスケットボールキング
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

「Jr.ウインターカップ2022−23 2022年度 第3回全国U15バスケットボール選手権大会」の男子の部は、ライジングゼファー福岡U15が初優勝を達成。1月8日の決勝戦では、横浜ビー・コルセアーズU15とのBリーグユースチーム同士の対決を51−46で制した。

 わずか2点差で迎えた第4クォーター、互いに初優勝がかかる両者はリードチェンジを繰り返す激しい攻防を展開。しかし福岡U15は、試合終盤に2つのビッグプレーで相手に大きなダメージを与えた。まずは同点で迎えた残り1分40秒、崎濱秀寿(3年)が前線で相手からボールを奪うと、そのままレイアップを沈めて48−46。そして、2点リードの残り17秒には勝又絆(3年)が決定打となる3ポイントシュートを見事に沈めてみせた。とどめを刺した自身のプレーについて、2人は次のように振り返る。

「自分の持ち味であるディフェンスを互いにいい勝負をしているあの時間帯に出したかったですし、『絶対にカットしてやる』っていう気持ちでした。本当にカットできてシュートまで持ち込めたので本当にうれしかったです」(崎濱)

「スローインのときに21番の持丸昭人(3年)からアイコンタクトで『出すぞ』って合図があって、自分としても残り時間が少なかったので打つしかないと思ってました。ずっと練習してきた45度からの3ポイントだったので、入ってすごくうれしかったです」(勝又)

値千金のスティールを決めた福岡U15の崎濱(右) [写真]=バスケットボールキング


決定打となるシュートで勝利を引き寄せた福岡U15の勝又(中央) [写真]=バスケットボールキング


 今大会の福岡U15は初戦から4点差の僅差で勝ち進み、全6試合中4試合を1ケタ点差で制しての栄冠。決勝戦も最後まで勝敗が分からない好ゲームとなったが、鶴我隆博ヘッドコーチは冷静だった。

「(大会を通じて)競ることに慣れてきたもんですから、何となくですけど『この子たちなら最後はやってくれるんじゃないかな』という安心感みたいなものはありました。今年の選手たちはどんな場面でも本当に気持ちが切れないですし、残り時間と点差などもしっかりと理解しながら戦えます。個人プレーに走る子もいないですし、それぞれが個々の力をしっかりとチームに溶け込ませる、そんなチームだったと思います」

 福岡U15は、昨年に続き2回目の出場でJr.ウインターカップ制覇を成し遂げた。かつては西福岡中学校を率い、10回の全国大会優勝を誇る鶴我HCがチームの指揮を執るようになってから2年目での快挙である。

 百戦錬磨の名将のもとで頂点へと駆け上がったライジングゼファー福岡U15の戦いは、まだ終わっていない。次なる目標は、3月に開催予定の「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2023」での優勝だ。

取材・文=小沼克年

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