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バスケどころ、福岡市で開催される「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が8月4日に開幕。間もなくパリオリンピックが開幕されるが、北部九州インターハイに出場する未来のオリンピアン候補を紹介していく。
文・写真=田島早苗
1点を争う展開の中、試合終盤にググッと流れを引き寄せたのは岐阜女子高校(岐阜県)2年生の小松美羽だった。
6月30日に行われた「第71回東海高等学校総合体育大会バスケットボール競技」の決勝戦。桜花学園高校(愛知県)との一戦は終盤までもつれ、残り時間約2分で岐阜女子のリードはわずか4点だった。だが、こう着状態を破るように小松が思い切りの良いドライブからのシュートを沈めて点差を6に広げると、その後4点差に縮められはしたものの、残り5秒には桜花学園のスローインのボールを小松が奪い、そのままバスケットカウントのシュート。2年生ガードが勝負を決定付ける大きなプレーを見せた。
「交代として出ていて、私が出たときにどれだけ自分たちの流れに変えられるかがだと思っていたので、ディフェンスから頑張ろうと思っていました」
決勝戦後に笑顔で大会を振り返った小松は、自身が語るように決勝では相手の隙を狙ってのスティールなどディフェンスからチームを盛り立てた。また、攻めては先に挙げたように勝負どころでのシュートなど、終わってみれば10得点を奪取した。
小松は、東海大会では林琴美(3年)のバックアップとして出場したが、春頃は林がケガで不出場によりスターターを担ってきた。そのときの学びや経験をプラスに変えつつも、スタートで出ても試合途中で出ても「やることは変わらないので、持ち味のディフェンスやルーズボール、リバウンドをちゃんとコートに立ったときに表現できるようにしています」という。
「東海大会優勝に満足して終わらず、次につなげて、できなかったこともいっぱいあったのでそれを練習して、インターハイでは絶対優勝して終われるようにしたいです」と、小松は夏に向けての抱負を語った。
その小松の大阪薫英女学院中学校の先輩でもある林は、高校でも下級生の頃から試合経験を重ねてきた一人。昨年のウインターカップでは準優勝を経験するなど、落ち着いたゲームメークと力強いドライブなど攻撃の起点となる選手だ。今年はキャプテンを務め、「キャプテンである以上は自分が必ず最後まで引っ張っていくつもりでやっています」と、決意を語る。
「ケガをしたことでそれまで見えなかったことを見ることができたので、今はそこを(プレーに)生かせていると思っています」と、ケガの期間を振り返った林。例えば「(ケガをする前は)ピックを使った後、ダイブした人にだけパスをしていたのですが、今はディフェンスの寄りなども見ることができた上でパスをさばけています」と、教えてくれた。また、その間に「自分が焦るぐらい周りも成長して、もっと頑張らないといけないなと思っています」と、チームメートの成長もヒシヒシと感じたよう。
「体力面であったり、フィニッシュのところでシュートを落としてしまっていることがあるので、しっかり夏までに体を強くして相手に当たられても負けないような強さをチームで作っていきたいです」と、夏への思いを語った林。
福岡の地で行われるインターハイでは、攻防において強気のプレーで引っ張る2人のガードに注目だ。