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8月23日、「令和5年度全国中学校体育大会 第53回全国中学校バスケットボール大会」(香川県開催)の決勝トーナメント1・2回戦が行われた。
女子1回戦に登場した相模女子大学中学部(神奈川県)は、折尾中学校(福岡県)と対戦。「10~12点の差がついたときに結果的にはタイムアウトで一度切るべきでした。そのあと点差が開いたので、選手たちに悪いことしたなと思います」(田島稔コーチ)というように、相模女子大学は、第1クォーターこそ6点ビハインドに留まったものの、第2クォーター中盤以降は、インサイドを中心とする折尾の攻撃を抑えることができず、前半を終えて37-56と大きなビハインドを負う。その後、後半には3ポイントシュートを主体に食らいついたものの、追いつくまでには至らず、74-98で敗れた。
「(相手の)背が大きいので、スクリーンをたくさん使ってミスマッチ作り、そこのミスマッチで攻めていくことや、3ポイントシュートが入る選手がいるので、そこにパスをしてシュートを決めてもらおうと思っていました」と、試合について語ったのは相模女子大学の竹内みや(3年)。
竹内は敗れはしたものの、この試合では21得点11アシストとダブルダブルをマーク。鋭いドライブで自らシュートを決めたり、ディフェンスを引きつけてのパスをしたりなど、エースガードとして攻撃を組み立てた。
前回大会でもチームのベスト8入りに大きく貢献した竹内は、今年はキャプテンとなり、名実ともにチームのリーダーに。3年生で迎えた最後の夏の全国大会はベスト16に終わったが、「いろいろな相手と戦って勉強になりました。(決勝トーナメント)1回戦で負けてしまいましたが、これからにつなげられるような試合になったと思います」と、大会を振り返った。
竹内自身は、「スピードがあってアシストも得点もバランスよく取れる選手」ということから日本代表の河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)を目標としており、またキャプテンとなった今年は、「みんなにエナジーを届ける」ことを意識しながら取り組んできたという。
一対一でのうまさや、その卓越されたスキルはもちろんではあるが、試合では笑顔でプレーする姿も印象に強い竹内。その笑顔の理由を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「負けているときなどは意識的に笑顔になって、気持ちを明るくして、いいプレーができるようにしています。でも、普通に試合が楽しいときは無意識に笑顔になっていますね」
取材中も時折、笑顔を見せていたが、2大会連続で出場した夏の全国大会については「いろいろな経験をしたし…とにかく楽しかったです!」と、声を弾ませた。
次に狙う大きな大会は、毎年冬に開催が予定されている『Jr.ウインターカップ』。「県内には強豪チームがたくさんあるので、まずは県の代表になれるように」(田島コーチ)と、出場までの道のりは決して楽ではないが、竹内は、「チームとして練習中からもっと声を掛け合うなどして、チーム力をどんどん上げていきたいです。絶対優勝できるように頑張ります」と冬に向けての抱負を力強く語り、会場を後にした。
取材・文=田島早苗
写真=吉田孝光