2023.08.24

地元で唯一ベスト16に残った丸亀南、前回王者に屈するも「本当によく戦ってくれた」

地元香川での全中をベスト16で終えた丸亀南 [写真]=小沼克年
フリーライター

 地元香川県のチームで決勝トーナメントに進んだのは1校のみだった。

 男子の丸亀市立南中学校(香川県)は、8月22日に行われた「令和5年度全国中学校体育大会 第53回全国中学校バスケットボール大会」の予選リーグを2位で突破。高松市総合体育館での第1試合に組まれた報徳学園中学校(兵庫県)との初陣は16点差で敗れた。だが、勝ったほうが次に進める札幌市立発寒中学校(北海道)戦を68-54で勝利。初戦の敗戦から立て直すことができたことについて、指揮を執る北本真司コーチは次のように語った。

「どちらもチームと対戦しても、5センチから10センチ弱、相手のほうが大きいというオールミスマッチの状況でした。スカウティングの段階から『発寒さんはこうやって守ろう』というような話をしていましたし、それを選手たちが体現してくれました。あとは、1試合目の報徳戦の負けを引きずらなかったことですね。それに関してはトレーナーが体のケアだけではなく、心のケアもしてくれたおかげで、リフレッシュした状態で彼らも戦うことができました」

 23日に行われた決勝トーナメント初戦の相手は、四日市メリノール学院中学校(三重県)。前回大会の優勝校であり、22日の初戦では2試合とも50点差以上をつけて圧勝した強敵だった。

「例に挙げたら失礼かもしれないですけど、日本代表とスロベニア代表で言えば、向こうは(ルカ)ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)が何人もおるようなもの」

 丸亀南は、チームで最も高い選手が176センチという小柄なチームだ。対する四日市メリノール学院は、スタメンに180センチを超える選手たちが並び、体格も一回り以上大きい。そのため、丸亀南は試合開始から徹底して3ポイントシュートを狙い続け、ディフェンスでは「絶対に中でやられることだけはないように」(北本コーチ)とインサイドを固めた。

3ポイントシュートを狙う宮武勇人 [写真]=小沼克年

 しかし、第1クォーターから思うように3ポイントを沈めることができず、反対に四日市メリノール学院には立て続けにアウトサイドからシュートを決められてしまった。

 丸亀南は32分間で42本もの3ポイントを放ったが、成功したのは8本のみ。41-84という大差をつけられ、ベスト16で敗退が決まった。それでも北本コーチは、最後まで諦めなかった選手たちを称えた。

「メリノールさんとは、新チームになってこれで5回目の対戦でした。最後の5回目を、素晴らしい大会の決勝トーナメントでやらせてもらえたことは本当に光栄です。相手も第3クォーターの途中まではベストメンバーで戦ってくれましたし、そう考えると上出来かなと思います。昨年の11月の対戦ではトリプルスコアくらいでやられましたので、本当によく戦ってくれました。やっぱり地元でやってくれたおかげかなとも思います」

 地元の後押しを味方につけ、丸亀南は2日間を戦い抜いた。キャプテンを務める宮武勇人(3年)は「勝って応援に応えたかったんですけど、それができなかったのでちょっと残念です」と口にしたが、この経験を糧にさらなる飛躍を誓った。

「まだ冬があるので、もう一回全国に出て、優勝できるように頑張りたいなと思っています。自分たちはやっぱり身長が低いのでで、もっとスクリーンアウトの徹底や走力をつけたいと思います」

 横断幕にある言葉が物語るように、丸亀南は一人ひとりが『最高の自分になる』ために、これからも歩みを止めない。

試合会場に掲げられた『南中PRIDE 最高の自分になる』の横断幕 [写真]=小沼克年

文=小沼克年

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