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3月は卒業シーズンでもある。3月2日、3日に日環アリーナ栃木で行われた「TOCHIGI in U15 bjカップ 2024」に出場したチームのなかには、今大会が1年を締めくくる最後の公式戦になったチームも少なくない。女子の部で優勝を果たした栃木県のBEAT UPもその1つだ。
BEAT UPは2日のトーナメント初戦でEternityに20点差をつけて勝利すると、続く2回戦はNLG INFINITYに最終スコア66-53。3日に行われた準決勝は菜の花スポーツ少年団を72-56で退け、危なげない試合運びで決勝戦まで勝ち進んだ。
HANABUSA FALCONSとの最終試合は第1クォーターから18-5と好スタートを切った。その後もチームの主軸を担う北條真杏、直井愛佳、手塚亜夢を中心に得点を積み重ね、残り8分を残して53-26。ベンチメンバーを送り出した第4クォーターは6-26とHANABUSAの猛追に遭ったものの、最後までリードを守りきり4戦無敗でトーナメントの頂点に立った。
「もともとはチーム同士が仲良しで、進学先でも一緒になる3年生たちが多いこともあって『今回は一緒に出よう』という形になりました。卒業記念というか、そういった意味も込めて今回は混成チームで出させていただきました」
BREAKERZとAMG BUDDY’S BASKETBALLCLUBは普段からよく練習試合を行う関係性があり、県の選抜などでチームメートになる選手もいるという。試合で随所に披露した流れるような連携プレーには、そういった理由が潜んでいたようだ。
今大会に向けての合同練習は、長谷HCによれば「5、6回」。キャプテンを務めた北條は、「即席チームだったので、しっかりとみんなが団結できるかどうかが大事だと思っていました。自分はチームをまとめることが苦手なんですけど、なるべく声を掛けて、みんなのマインドを上げられるように頑張りました」と振り返った。
「頑張った時はアイスクリームなどを奢ってくれる一面もあるけど、練習や試合でダメなところはしっかりと厳しく言ってくれます」
178センチの長身でリバウンドの強さを示した直井は、優勝後のインタビューで長谷HCの人柄を教えてくれた。当の本人である長谷HCは、2つのチームが1つになって大会を盛り上げたことに顔をほころばせた。
「みんなが元気にプレーしていたので、 とてもいい機会になったのかなと思います。私は育成世代でバスケットを指導している立場ですので、こうして選手たちがチームの垣根を越えて、卒業前に同じチームとして大会に参加させていただいたことにも本当に感謝しています」
混成チームのBEAT UPとしては2カ月にも満たない活動期間だった。けれど、地元開催の大会で有終の美を飾れたことは、春から高校へ進学する3年生にとってこの上ない“卒業記念”になったに違いない。
文=小沼克年