2023.10.13

第3の選手人生を始める吉田亜沙美「引退したからといって復帰できないわけではない」

9月30日、Wリーグ開幕会見に出席した吉田亜沙美[写真]=兼子愼一郎
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 男子プロバスケットボールのBリーグ開幕から一週間、10月14日(土)には女子のWリーグ開幕戦が各地で行われる。

 25年目を迎えるWリーグ2023-24シーズンは、「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」で銀メダルを獲得した女子日本代表選手の活躍はもちろん、2度目の現役復帰を果たした吉田亜沙美にも視線が集まる1年となりそうだ。

 2019年3月と2020年5月に引退を表明し、その後は指導者としてのキャリアを歩んでいたが、約3年のブランクを経て今年4月にアイシンウィングスへ入団。9月30日に都内で行われた『第25回Wリーグ開幕会見』では、アイシン代表としてユニフォーム姿で登壇し、メディアとファンの前で、新シーズンへの意気込みを語った。

 久しぶりの公の場に、緊張していたことを明かした吉田。しかし、「バスケットができる環境に戻ってこられたことが本当に幸せですし、なにより皆さんの前でまたバスケットをできることが楽しみです。このチームを選んで良かったなと思っているので、1人でも多くのファンの方に楽しんでもらえるように精一杯やりたいと思います」と、Wリーグへの返り咲きを心待ちにしているようだった。

 アイシンの梅嵜英毅ヘッドコーチからの誘いを受けて、「いましかできない」と現役復帰を決断。新天地は若手中心のチームとあって、「私が入ることによって経験を伝えたり、精神面を支えてあげたい」と自身の役割についても語る。一回り以上も年が離れたチームメートもいるなか、ジェネレーションギャップを感じる場面も多々あるそうで、「喋り方もそうですし、体力面についても、私はついていくのに精一杯なのにみんな余裕でやっている。羨ましい(笑)」とするも、「ベテランと若手がチームを作り上げて、良い味が出てくると思います」と今後の化学反応にも期待を寄せた。

 チームの目標については、「ベスト4を掲げていますが、ファイナルの舞台には立ちたいのでそこを目指してやっていきたいです」と明かした。また、自身については「流れが悪くなったときに、しっかりと戻してあげる。選手たちが目標や自分たちのバスケットを見失ったときに、道標となってあげられるように引っ張っていきたい」と意気込んだ。

 今後の夢について聞かれると、「私みたいな選手が増えてくれれば良いと思います。一度引退したからといって復帰できないわけではないですし、見ている方々にも、もう一回頑張ってみよう、勇気を出してみようと思ってもらえるようなプレーをしたいです。感動や勇気を与えられれば」と話す。

 異例とも言える2度目の現役復帰がアイシンとWリーグに何をもたらすのか。注目の新シーズンは10月14日(土)に開幕。アイシンは13時30分より、宇都宮市体育館にてシャンソン化粧品シャンソンVマジックとの一戦に挑む。

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