2023.07.04

日本代表最年長の髙田真希…世界での戦いを見据え「やるべきことはたくさんある」

帰国し取材に応じた日本代表の髙田[写真]=田島早苗
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 7月3日、「FIBA女子アジアカップ2023」(6月26日~7月2日)に出場した女子日本代表が、開催地であるオーストラリア・シドニーから帰国した。

「チームとして試合を重ねるごとに成長した姿だったり、自信を得たことがプレーに表れていたりと、一つひとつの経験や自信を得ることができたことが今回の収穫だと思います」

 羽田空港にてメディアの取材に応じた髙田真希(デンソーアイリス)は、大会についての感想をこのように語った。

 アジアカップ6連覇を目指した日本は、予選ラウンドから危なげない戦いを見せ、最初の山場である予選ラウンド最終戦のオーストラリア戦でも91ー66と快勝。続く準決勝のニュージーランド戦を88ー52で制し、6大会連続の決勝進出を決めた。しかし、中国との決勝は終盤までもつれ、最後は71ー73で惜敗。準優勝で大会を終えた。

 決勝戦を振り返った髙田は、「追いついたり、離れたりといったことを繰り返す中で、相手に連続で3ポイントシュートを2本ほど決められて追いつかれたところが痛かったですし、どうしても相手にシュートゲットされてから(オフェンスを)スタートすると、ハーフコートのバスケットが多くなってしまいます。相手にタフショットを打たせてリバウンドを取ってブレイクを出せれば、もう少し足が動いたと思うので、ディフェンスでのミスコミュニケーションが痛かったです」と課題を一番に口にした。

 また、オフェンスに関しても、「まだまだセットプレーの順を追ってしまっているので、相手ディフェンスに対して、(セットプレーでは)こう動かないといけないけど、ディフェンスがこうだからこっちに動こうという判断、仕掛けが大事だと思います」とコメント。

 セットプレーでの攻めについては、さらに詳しく自身の考えを述べてくれた。

「一つひとつのスクリーンをしっかりかけるだとか、(相手が)どう守ってきてるのかを把握しながら、そのときの状況に応じて一人ひとりが展開していかないといけないと思っています。セットプレーの1から10の中で、(常に)最後の10で攻めるのではなくて、1で攻めることができるなら、どんどん積極的にそれをやっていく。そのことで、相手がそれを対策したら2があって3があると思っています。10までただ単にパスを回していると、疲れたり、相手が止めようとしたりしたときに、誰かに任せがちになってしまう。セットプレーを崩すことは勇気のいることですが、空いているところを積極的に攻めた方が相手も的をしぼれないと思っています。そこに関しては経験が必要かなとも感じています」

決勝でチーム最多得点を挙げた髙田…惜しくもアジアカップ6連覇ならず[写真]=fiba.com

 女子日本代表は、約半年後にはパリ・オリンピック出場を懸けたオリンピック世界最終予選(OQT)が控えている。だからこそ、髙田は今大会を踏まえた上でチームの状況についても冷静に語った。

「昨年よりも今の方が感触がいいと感じている選手は多いと思うので、そういった点では(昨年から)積み重ねられているのかなと思います。ただ、世界に出ていくとなると今回のアジアカップでは中国が一つの基準になると思うのですが、そういう意味ではオフェンスもディフェンスもやるべきことはまだまだたくさんありますし、世界では中国がスタンダードだと考えると、そう簡単には勝てないと思います。それこそ、一つのミスで勝ち負けが決まってくると思っています」

 髙田自身は、アジアカップの決勝では31分43秒の出場で17得点をマーク。特に前半は相手のペースになりそうなときに、その悪い流れを断ち切るようなシュートを沈めて、苦しい場面を幾度となく救った。

「とにかくディフェンスが重要だと思ったので、ディフェンスとリバウンドはすごく意識していました。中国戦に関しては、ディフェンス面では高さで相手にアドバンテージがあるけれど、オフェンスに関しては自分の方がアドバンテージ持ってると思っていて、スピードや3ポイントシュート、持っているものをしっかり出そうと思っていました。ディフェンスへの意識が高かったのですが、オフェンスでも空いたら積極的にシュートを打つこととドライブで仕掛けにいくことはイメージしていたので、そこはうまく出せたかなと思います」

 プレーでもしっかりと存在感を示した高田は、経験値といった意味でも、今後の日本代表に必要不可欠だろう。かつてOQTを戦い、オリンピック出場をあと一歩のところで逃した経験があるからこそ、その道のりがいかに険しいかも知っている。今大会で得た課題と収穫を元に、キャリア豊富なベテランは、しっかりと先を見据えていた。

取材・文・写真=田島早苗

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