2024.01.19

ダイナミックなプレーで魅了する3x3女子日本代表の永田萌絵…「3x3はやっぱり楽しい」

毎回3x3の楽しさを再認識するという永田萠絵 [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「毎回思うのですが、3x3を久々にプレーしたときは、『やっぱり楽しいな』という感想が最初に来ます。プレーしていて楽しいと感じることが一番大事だと思うので、楽しみながらも自分の持ち味出していい合宿にしていきたいと思っています」

 味の素ナショナルトレーニングセンターにて行われた3x3女子日本代表の強化合宿に参加した永田萌絵(デンソーアイリス)は、合宿についてこのように語った。

 永田のいう自身の持ち味とは、スピードや機動力。昨年夏に出場した「FIBA 3×3ウィメンズシリーズ カナダ・エドモントン 2023」での経験からも、「ウィメンズシリーズで世界の選手と戦ったときも、スピードだったり、足を動かしたディフェンスだったりができたので、そこは持ち味だと思います。コーチ陣からもそれを求められているので、しっかり表現していきたいです」という。

 また、「楽しいな」と思う理由には、「自分の良さを思い切り表現できることですね。ボールを持っている時間が多いからか、5人制より3人制の方が良さを出す回数が多い気がします」と、コメント。さらには、3x3ならではの特性を踏まえ、「選手たちで(試合を)作っていくところにも楽しさを見出せているのかもしれません」と教えてくれた。

 今回の強化合宿で招集された13名のうち、11名がWリーグに所属する選手。昨年の10月から始まった第25回Wリーグは、現在は約2カ月の中断期間ではあるものの、シーズンを見れば終盤に差し掛かっている段階だ。その中での強化合宿ということで5人制と3人制での切り替えは決して容易ではないだろう。だが永田は、「確かにルールも全く違うので難しいと感じることもあるのですが、そこは3x3をやると決めたからには自分でしっかりアジャストしていくべきだと思っています」と、キッパリ。「合宿のときはしっかりと切り替えて3x3をするし、(チームに)戻ったらしっかり5人制のプレーを遂行できるようにしていきたいです」と、意気込んだ。

 3x3では男女とも5人制女子と同じサイズの6号球ボールを使用するが、重さは7号球と同じで、普段使用しているボールより重い。世界のチームと比べて高さで劣る日本は、2ポイントシュート(5人制でいう3ポイントシュート)を狙うスタイルで、中でもディープシュートも積極的に放つことが求められているため、いつもより重いボールでのロングシュートが勝つためのカギとなる。しかし、永田はこの3x3のボールに対しても、「3人制の方が滑らない気がして、私は打ちやすいと感じています。練習では数字も出していますが、確率も前回よりは上がっています」と、笑顔で話す。

 長く3x3の女子日本代表選手に名を連ねてきた永田は、東京医療保健大学4年生のときに出場した2019年の「FIBA 3x3 U23 ワールドカップ」で山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)らとともに優勝を達成。自身3x3では初の国際大会となったが、この優勝は日本のバスケット界にとっても男女全カテゴリー(5人制 / 3人制問わず)を通してはじめての世界大会優勝という快挙だった。その後も、東京オリンピックに向けた主要選手として活動を続けたが、東京オリンピックでのメンバー入り(4名)は叶わず。それだけに、今夏に開催予定のパリ・オリンピックに懸ける思いはひとしおだ。

「東京オリンピックのときは最後にメンバーから外れたので、その悔しさをずっと持って練習してきました。絶対にメンバーに入って(オリンピック行きを)勝ち取りたいという思いは強いです」

 3x3での試合を数多く経験してきたからこそ、永田は「世界と戦ったときに、戦術がしっかりしているチームが強いと感じたので、どれだけ3x3の戦術を理解してチームで落とし込めるかが重要だと思います。戦い方という点では、私の経験を伝えていくことも多いと思います」と、言う。

自身の経験を伝えるのも重要な役割 [写真]=田島早苗


 174センチの26歳。積み重ねてきたキャリアと重ねてきた努力をもとに、これからもコート上でアグレッシブなプレーを発揮していく。

文・写真=田島早苗

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