2024.01.21
1月18日、味の素ナショナルトレーニングセンターにて行われている3x3女子日本代表の強化合宿がメディアに向けて公開された。合宿3日目となったこの日、報道陣に公開されたのは男子大学生との練習試合で、参加選手はそれぞれが持ち味を発揮し、積極的なプレーを見せていた。
「3x3が本当に久しぶりで、みんなと比べてスタートが遅い分、まずは早く3x3に慣れることと、チームのコンセプトを叩き込めように頑張りたいと思っています」と、意気込んだのはトヨタ自動車アンテロープスの宮下希保。一方で、3x3への本格的な参戦は2019年以来ではあったものの、合宿3日目を迎え、チームコンセプトを意識することに必死だったそれまでから、「少しずつ、チームのプレーをやりつつも、自分のプレーが出せてきています」と、手応えを感じているとも語った。
海外の大型選手に対して「強度のあるディフェンスをしながら、スピードと2ポイントシュートを中心としたバスケット」(長谷川誠ヘッドコーチ)を目指す3x3女子日本代表。その中で宮下は、所属するトヨタ自動車ではセンターポジションを担っており、「(178センチは)センターポジションとしては小さいのですが、フィジカルを使って相手を止めることやスピードは他のセンターよりもあると思っています。そこを5人制でも強みとしているのですが、それは3x3でも変わらないのかなと思います」という。
トヨタ自動車ではここまでWリーグの全18試合でスターターを務め、1試合平均得点は10.00点をマーク。日頃のトレーニングの成果もあってか当たりにも強く、体を張ったディフェンスやリバウンドなど献身的なプレーで首位を走るチームを支えている。
「オリンピックが懸かっているし、甘えは一切ダメ。自分自身、厳しくやっていかないといけないと思います」と、宮下。さらに「チームでも思ったことがあれば、どんどん言っていきたいです。我慢することは良くないし、そこで崩れていくときもあるので、そういった妥協はせず思いっ切りできるように。3x3の合宿はそんなに長くないので、普段からそういうことを意識してやっていきたいです」と、頼もしい言葉を発した。
この『甘え』に関しては、宮下自身、「私は疲れてきたときや追い込まれたときに、軽いミスをしてしまうので、そういったことは勝ち負けにつながること。そこでもう一つギアを上げてできるようにしたいです。そこが自分の中では甘えだと思っています」と、自らを律する。さらに、「最後は気持ちだと思っていて、きついときは体も動かなくなるのですが、仲間や周りの人のために頑張ることが私の中ではいちばんの力になるので、そういったことを忘れずにやっていきたいです」と、思いを語った。
宮下は4年前、5人制の「FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)」に出場している。ただ、このときは21歳と若く、トップの日本代表では2度目の選出と経験も浅かった。また、開催国枠で東京オリンピックの出場権を獲得していた上でのOQTだったため、「(大会自体に)オリンピックの出場権が懸かっているということもそこまで頭になく、フレッシュな気持ちでやっていました」と、振り返る。その後、東京オリンピックの最終メンバー争いに惜しくも敗れ、「一緒にやってきた選手たちが東京オリンピックで活躍している姿を見て、パリオリンピックで活躍したいという気持ちは大きかったです」と、当時を振り返る。
再び得たオリンピックへの挑戦権。4年の月日を経て心身ともにたくましさが増したオールラウンダーは、「こういった経験は誰もができることではないので、与えられた場所で、今、求められていることを頑張るだけです」と、力強く抱負を語った。
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