2024.02.12
ハンガリー・ショプロンにて開催されている「FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)」にて初戦のスペイン戦を勝利した日本。オリンピック出場に王手をかけた状態で現地時間2月9日には開催国であるハンガリーとの一戦に臨んだ。
赤穂ひまわり、髙田真希(ともにデンソーアイリス)、林咲希(富士通レッドウェーブ)らで得点を挙げて幸先良いスタートを切った日本は、ディフェンスでも208センチのベルナデット・ハタールを筆頭に190センチを超えるハンガリーの選手たちにハードなディフェンスを施し、第1クォーターを終えて22ー13とリードする。第2クォーター出だしには林の3ポイントシュートが2本決まりリードを広げていく日本。しかし、日本のオフェンスに対応したハンガリーのディフェンスが機能しだすと、得点ペースが下がってしまう。逆にインサイドを起点に攻めるハンガリーに失点を許して点差を縮められると、最後は終了間際の3ポイントシュートを決められ、前半を32ー32の同点で終えることとなった。
迎えた後半は一進一退の様相に。髙田が技ありのシュートを沈めれば、ハンガリーは内外とバランスよく攻撃を仕掛けて応戦。第4クォーターにはそのハンガリーにインサイドだけでなく3ポイントシュートも適時に決められ、日本は2、3点を追う形となった。終盤には宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)の勝負強いシュートで追い上げた日本だったが、一歩及ばず。最後は75ー81で敗れた。
試合後、「アウェーの空気の中でなかなか意思疎通が取れず、苦しい展開になりました」と語った恩塚亨ヘッドコーチ。そしてそれが「(相手ディフェンスに)スイッチをされた後にチームでスクリプトは準備していたけれど、そこが声だけのコミュニケーションでは足りずに一手一手が弱くなってしまい、チームとして戦う力が落ちてしまったこと」に影響したと言い、「そこでのオフェンスの停滞感がディフェンスにも影響して、『出所を苦しめる』というコンセプトを表現しきれなかったことが大きなポイントではないかと思います」とも語った。
終わってみれば208センチのハタールの17点をはじめ、特に後半には相手のインサイド陣に小気味よく得点を決められてしまった日本。「相手はすごく大きかったので、上のパスが通り出してからやられてしまったと思います。第1クォーターの最初はすごくアグレッシブにボールマンにプレッシャーかけたり、ダブルチームにも早く行ったりすることができましたが、それが遅くなり、また相手が日本のディフェンスにアジャストしたパスをしたりしてから、自分たちがプレッシャーをかけられずに崩されてしまいました」と語ったのは、インサイドで10センチ以上も高い選手を相手に体を張り、攻めては14得点を奪って奮闘した高田。経験豊富なリーダーは、インサイドでのディフェンスに関してさらに「一つ、二つとやられてしまうのはしょうがないことだとは思うのですが、相手に粘られてステップインをされてしまうなどといったことが多かったと思います。そこを我慢することや自分たちがもう一つ粘ることができたら展開は少し変わったのかなとは感じます」と、振り返った。
この結果により日本を含め同ブロックのスペイン、ハンガリー、カナダの4チームが1勝1敗で並ぶことに。オリンピックへの出場権獲得には残すカナダ戦での勝利、もしくはカナダ戦に敗れた場合はハンガリーがスペインに勝つことが条件となった。そのため、是が非でもカナダ戦は勝利を収めたいところ。苦しい立場に立たされたが、「こういうゲームの後は切り替えることがすごく重要だし、こういうゲームをしてしまった自分たちの責任だと思います。いい準備をして(カナダ戦に)備えたいですし、(相手のカナダは)インサイドは必ずついてくると思うので、そこはもう一度、カナダ戦に向けて修正しなくてはいけないと思います」と、力強い口調で語った髙田。痛い敗戦にもしっかりと次を見据えた。
運命の一戦となるカナダ戦は大会休息日をはさみ、現地時間11日の16時。日本時間では23時にティップオフとなる。
文=田島早苗
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