2024.02.09
2月8日(現地時間)、「FIBAオリンピック世界最終予選(OQT)」がハンガリーのショプロンで開幕した。
初戦で世界ランキング4位のスペインと対戦した日本(同9位)は、林咲希(富士通レッドウェーブ)の3ポイントシュートが立て続けに決まり、先行する。その後も宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)や山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)らの思い切りの良いシュートで主導権を握った日本。試合開始から約7分経ったところで19ー14とリードすると、先にタイムアウトを取ったのはスペインの方だった。
しかし、スペインのタイムアウト以降も日本の勢いは衰えることなく、第2クォーター終了時点で46ー36と点差を広げる。第3クォーター終盤にはスペインの追い上げに遭ったものの、再び突き放して最後は86-75で勝利。大会1勝目を挙げ、パリオリンピック出場に大きく前進した。
「勝てて良かったです。(個人的には)ディフェンスと走ることは意識していたので、そこはできたかなと思います」
会心の勝利に笑顔を見せながらもいつもの通り淡々と試合の感想を語ったのは、この試合でもスターターを務めた赤穂ひまわり(デンソーアイリス)。
赤穂は、前半を終えて得点こそ2点であったが、自身より背の高い相手に執拗なディフェンスで苦しめ、得意とするリバウンドは7本。そして2アシストも記録し、日本に流れを引き寄せる働きを見せていた。そのため、前半を終えた時点での試合における貢献度を数字で表すEFFでは、すでに前半で5本の3ポイントシュートを沈めていた林咲希(富士通レッドウェーブ)の『15』に次ぐ『12』という数字だった。
最終的には4得点8リバウンド2アシスト1スティール1ブロックを記録。試合後にはポイントとなったインサイドのディフェンスについて、「(試合前のアジャストで)相手のプレーを頭に入れていたので、相手がその通りのプレーをしたときは、うまく守れたところもあったのかなと思います。相手が少し迷ったときには止めることができたと思います」と、オリンピック出場の切符を獲得するために重要な初戦を振り返った。
その赤穂のハイライトといえば、第2クォーター残り約2分半のときに見せたリバウンドだろう。すでに3本の3ポイントシュートを決めていた林が、4本目の3ポイントシュートを放ったのだが、これは惜しくも枠を捉えず。しかし、そのリングに跳ねたボールを赤穂がスペインの選手と競り合いながら豪快に奪うと、馬瓜エブリン(デンソー)へパス。そこから吉田亜沙美(アイシンウィングス)、そして林へとボールが渡り、林の4本目の3ポイントシュートが生まれた。少し得点が停滞していた時間帯でのこのビッグプレーで重い空気を打ち破り、日本は前半を終えて10点差を付けることに成功した。
「あのリバウンドはめちゃめちゃタイミングよく跳べたからで、それもやっぱりリバウンドに参加していたから取れたと思うので、明日もどんどん飛び込んでいきたいです」と、ビッグプレーについて振り返った赤穂。またリバウンドに関してはこのように話をしてくれた。
「3番ポジションで出ているときはもう少し取りやすいのですが、4番ポジションで出ると相手も大きいので、ディフェンスリバウンドではもっと体を張らないといけなくなるし、オフェンスリバウンドももっと高く、もっと速く跳ばなくてはいけなくなるので少し大変なところはあります。でも、やっぱりリバウンドに行くことが大事だなというのは今日の試合で改めて感じました」
スペインの大型選手に引けを取るどころか勝っていたようなリバウンドでけん引した赤穂。それでも初戦の勝ちに浮かれることなく、翌日(現地時間9日)に控えるハンガリー戦に向けては、「初戦を勝てたことは良かったのですが、まだあと2試合あるので、これからも1試合1試合戦わないといけないと思っています。(残り2試合も)相手は大きいのですが、(スペイン戦を経て)スピードは効くのかなと思ったので、もっと走れるところでは走っていきたいです。ドライブでも行けるところは行って、相手の足に対して勝てるように頑張ります」と、気を引き締め直していた。
文=田島早苗
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