2017.12.26

【NBA COLUMNS from LA】コート内外で活躍するブレイザーズのシャバズ・ネイピアー「僕はアグレッシブなんだ」

ブレイザーズ在籍2年目のネイピアーは、チームに不可欠な存在[写真]=Getty Images
ロサンゼルス在住。1995年に渡米、現在は通信社の通信員として、MLB、NBAを中心に取材を行っている。

 日本時間12月24日(現地時間23日)にロサンゼルスで行われたポートランド・トレイルブレイザーズ対ロサンゼルス・レイカーズ戦で、エースのデイミアン・リラードが故障欠場し、リラードとともにチームを支えるCJマッカラムが不調だったブレイザーズが接戦を制した。

 勝因は、22得点したモーリス・ハークネスら控え選手の活躍。そしてリラードの代わりに今季初めて先発したシャバズ・ネイピアーのプレーも光った。ネイピアーは第3Q終了直前に3ポイントシュートを決め、同点で第4クォーターに突入する機会を作ったり、89-88の第4クォーター残り1分59秒にはジャンプシュートを決めてブレイザーズを有利にするなど21得点(5アシスト3リバウンド3スティール)と奮闘。テリー・ストッツHCも「第3クォーターにシャバズが勢いをつけてくれた」と満足気に話した。

 普段ならば、リラードとマッカラムが中心となる場面で見事にステップアップした。「競ったゲームは大好きだし、緊張することはない。だってシュートというものは、入るか入らないかだ」と堂々と話すネイピアー。さすがは大学時代に全米王者を2度経験しているだけのことはある。

 コネチカット大で、ケンバ・ウォーカー(現シャーロット・ホーネッツ)の控えだった1年生の時に全米大学選手権(NCAAトーナメント)の準決勝、対ケンタッキー大戦で残り2秒に勝利を決定づけるフリースロー2本を決めた。この試合は絶不調だった。しかし当時19歳のネイピアーは攻撃意欲を失うことなく、ここぞという場面で4得点し強心臓を見せた。そして4年生の時には4年前と同じケンタッキー大相手の決勝で22得点して母校を4年間で2度目の王者に導いた。

2011年のNCAAトーナメントにて、ウォーカー(右)と喜びを分かち合うネイピアー[写真]=Getty Images

 全米が注目する大舞台。しかしネイピアーは「バスケットボールだよ。いつものようにプレーすればいいだけだ」とのんきだ。 

 実は、このレイカーズ戦でも第1クォーターに放った5本のフィールドゴールをすべて外していた。しかし、第2クォーターには4本すべてを決めるなど、第3クォーターまでで19得点した。「僕はアグレッシブなんだ。だから自分の力を試したかった」と積極性を失わなかった理由を話した。

 そんなネイピアーと話して感じたことがある。質問の答えの多くに頑張ったチームメイトの名や「みんな」という言葉が頻繁に出ることだ。過去の記事を読むと、自らが支配力を見せて優勝した2014年のことを聞かれ、チームメイト数人の活躍を挙げて「みんなの力があってこそ優勝できた」と話していた。

 コート内外で活躍できる頼もしい控えが存在するブレイザーズ。リラード、マッカラムの2本柱も心身ともに成熟した選手で、みんなで助け合えるいいチーム力が築いていけそうだ。

今季はシュート成功率全般と平均得点で自己ベストの成績を残しているネイピアー[写真]=Getty Images

文=山脇明子

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