2018.02.27

【インタビュー】ZiNEZさん、バスケは「カッコいい!」の一言に尽きる

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フリースタイルバスケットボールの元世界王者ZiNEZさんが、ボストン・セルティクス対デトロイト・ピストンズの放送にゲスト出演しました。バスケットボールに対する愛情が深いフリースタイルバスケットボール元世界王者が、後半戦の注目ポイント、NBAの魅力や自身の活動について話してくれました。(2月24日取材)

素材提供=WOWOW

――3年ぶりの番組出演でした。感想をお願いします。
ZiNEZ 中学1年生から部活でバスケットボールをやっていてNBAは憧れでしたし、バスケットボールをやっている人なら誰でもNBAを知っています。バスケットボールが好きな人間として、実際に出演するまではハードルが高いと思ったのですが、出演してみると出演者の皆さんがすごく優しいので、話せる空気になって自分も話してしまいました。でも、なんだかんだ気づいたら黙って聞いていました(笑)。出演するたびにNBAはいいなと改めて思うことができるので、毎度楽しいです。

――NBAの魅力を教えてください。
ZiNEZ 全部がカッコいいですよね。演出も音楽も。あれだけ試合を盛り上げる音楽が聞こえるスポーツは少ないと思いますし、何よりもエンターテインメントとしても、音楽やファッションに密接なつながりのあるスポーツだと思います。バスケットボールはNBAにすべてが詰まっている感じがします。もちろんテニスなど他のスポーツもそうなのですが、NBAはその中でも全員が楽しんで見られる洗練されたものです。完璧という言葉が似合うと思います。バスケットボールはスピード感がある競技ですので、(試合中は)目が離しづらいですし、惹きつけられます。バスケットボールシューズは誰でも履くじゃないですか? そういうのはバスケの力であり、NBAの力だと思います。世代問わずバスケットボールシューズがカッコいいというイメージはNBAの力だと思うし、外にも出ている力なので、改めてNBAはすごいと思います。

――NBAオールスター2018が終わり、後半戦が始まりました。見どころ、注目チーム、選手を教えてください。
ZiNEZ 祖父母がトロントにいて、祖父にバスケを教えてもらったので、カナダは僕にとってバスケに対するルーツがあります。そうなるとカナディアンにとって、「(トロント)ラプターズ、がんばれ!」というのはあるのですが、現時点で東の1位です。その行方も気になるのですが、今日のピストンズのように、プレーオフ争いでギリギリのチームが面白いです。この1カ月半でどういう攻防があるのかを見るのが楽しいですね。スタープレーヤーよりも、ギリギリのラインで戦っているチームが面白いと思います。

カナダを拠点とするトロント・ラプターズ [写真]=Getty Images

――NBAで好きな選手はいますか?
ZiNEZ 難しいですね……。特に好きな選手は、今だといないのですが、昔だとジェイソン・ウィリアムズ(マイアミ・ヒートほか)、アレン、アイバーソン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)。僕はカナダのバンクーバーの近くの島のビクトリアにいたのですが、スティーブ・ナッシュ(フェニックス・サンズほか)がビクトリア出身で、僕がずっと練習していたコートを作ってくれたのがナッシュです。そういう意味では、自分の高校時代のプレーグラウンドを作ってくれたNBA選手には憧れもありますし、好きなプレーヤーです。好きな選手を絞るのは難しく、いろいろなスタイルがあるのがNBAの良さだから、奥が深すぎて誰が一番と言うのは難しいです……。

スティーブ・ナッシュ(左) [写真]=Getty Images

――ドリブルがうまい選手の名前が挙がりましたが、やはりそういう選手が好きですか?
ZiNEZ そうですね。ちょっと個性があって、なおかつシュートとかダンクももちろんカッコいいのですが、シュートにいく途中の大事な一手が華麗な人がすごく好きです。そういう意味では、元々ドリブルが好きでフリースタイルバスケを始めたので、そのドリブルを好きにさせてくれたのがそういう選手たちだと思います。

――フリースタイルバスケの出会いとハマった理由をお聞かせください。
ZiNEZ 中学1年生の時にバスケットボール部に入りました。日本の部活の文化の中でバスケットボールをやっていたのですが、ドリブルなどの技術を知っていくうちに、自分はフラッシー(派手な)で独創的なことを、バスケットボールを使ってやりたいと思いました。アイバーソンとかウィリアムズとかを見ていて、オシャレさや癖のあるドリブルを真似していました。その頃、ストリートバスケが流行り出した時期で、NBAの水面下で「AND 1 mixtape」とかストリートでやるバスケが拾われ始めていましたので、そこも影響を受けました。中学2、3年生の頃からはNBAを見つつ、雑誌を買って情報をチェックしながらストリートバスケを見るようになりました。中学3年の時にカナダへ行くきっかけがあって、向こうでストリートバスケとNBAを目指している時にインターネット上でフリースタイルバスケを見つけました。自分は朝から晩までバスケットコートにいたのですが、その時に音楽をかけながらドリブルだったり、試合で使えなくてもストリートでやったりしたら盛り上がるだろうと思う動きを考えるのが好きでした。最終的にはボールでどこまで表現できるかに惹かれたのですが、最初はストリートバスケとNBAの流れからフリースタイルバスケに入っていきました。誰もやっていないことをボール一つでやってみたいというのがありましたね。

――ご自身の活動内容についてお聞かせください
ZiNEZ 今は自分で大会を運営したりしています。自分が高校生の時に動画投稿サイトにずっと投稿していたのですが、それを見ていて連絡を取っていた世界中の仲間たちが大人になって、自分たちの国でそのまま大会をやったりしているので、そこで技術を教えるために講師として行ったりもしています。フリースタイルバスケはフリースタイルというだけあって、僕の中ではバスケットボールを使って何をやってもいいという解釈なので、その可能性を追求する意味でも、役者、モデル、バンドとセッションしてパフォーマンスをしたり、常に新しい形でフリースタイルバスケを表現しています。

――今後、一番やりたいことは何ですか?
ZiNEZ いっぱいあります。バスケットボールがカッコいいおかげで、フリースタイルバスケもカッコいいと思います。ファッションなどそこから引っ張っているものがあります。ヒップホップもバスケットボールという文化に寄り添ってきた音楽だと思います。ドリブルってすごくいい音なので、地面にマイクとかエフェクターを入れてドリブルを音楽に変えることだったり、スポーツを音楽に変えたりすることですかね。ミュージカルで球体を使ったり、ハーフタイムショーもそうなのですが、それ一つでシアターショーができるようなものだったり、やりたいことはたくさんです。やっぱりバスケットボール一つ持ってカッコ良くパフォーマンスできているのはNBAのおかげなので、いずれは本場のNBAにいってハーフタイムショーで盛り上げることで恩返したいと思います。

――NBAファン、バスケットボールファンに向けて一言お願いします。
ZiNEZ NBAを見ているとバスケ以外のことも得られることがたくさんあると思います。アメリカの流行とか。バスケットボールは文化に近いものがあります。バスケで学ぶことって、バスケ以外に活かせると思います。バスケに精通していますが、僕がフリースタイルバスケでそれを感じました。そういう意味では、バスケって最高ですよね。バスケが好きであればフリースタイルバスケを見に来てほしいし、見ていればセンスが磨かれるスポーツだと思います。“カッコいい”の一言です。自分もバスケに救われた身分としては、バスケを続けていて、それに愛があれば間違った方向にはいかないと思います。

https://twitter.com/wowow_nba/status/967375911677931521

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