2018.04.11

ウォリアーズが40点差の大敗、「我々には競争心が必要だ」とカーHCが警笛を鳴らす

連覇に向けて黄信号が灯っているウォリアーズのカーHC[写真]=Getty Images
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過去3度の敗戦で平均123.7失点

 2014-15シーズンにスティーブ・カーHCが就任してからというもの、ゴールデンステート・ウォリアーズは憎たらしいまでの強さを発揮してきた。

 昨季までの3シーズンすべてにおいて、いずれもリーグトップの成績を残し、一昨季の73勝9敗(歴代最多勝記録)をはじめ、67勝以上を記録。今季はヒューストン・ロケッツにトップシードの座こそ奪われたものの、58勝24敗という好成績を残した。

 しかしながら、シーズン最後の4試合は1勝3敗。特にシーズン最終戦となった4月11日(現地時間10日)のユタ・ジャズ戦では、カーHC就任以降ワーストとなる40点差の大敗(79-119)。

ジャズ戦ではミッチェル(左)に22得点を許すなど、FG成功率53.3パーセントという高確率でショットを決められてしまった[写真]=Getty Images

 ステフィン・カリーアンドレ・イグダーラこそ欠場していたものの、ケビン・デュラントクレイ・トンプソンドレイモンド・グリーンというオールスター選手はプレーしていたこともあり、レギュラーシーズンは後味の悪い結末となった。

 試合後、現地メディア『AP』に対して「我々には競争心が必要。活気も必要だ。今の我々にはそれらが足りておらず、成功することが求められる。だから正しいマインドを取り戻さなければならない」とカーHCはコメント。

 ジャズ戦で13得点と不発に終わったデュラントも「俺たちは良い状態になっていかなきゃならない。(この試合では)グルーヴもリズムもつかむことができなかった。かつての状態に戻さなければ」と危機感を募らせている。

 ウォリアーズが直近の3敗で喫した平均失点は123.7。連覇を目指すディフェンディング・チャンピオンと語るにはあまりにもお粗末な数字である。

左からイグダーラ、グリーン、デュラント。これにトンプソンを加えた4人が交互にスイッチし、ウォリアーズのディフェンスを支えているのだが今季は例年と比較すると不発気味[写真]=Getty Images

チーム史上初の連覇に向けてディフェンス改善はマスト

 シーズン終盤になって、カーHCはチームの課題について『ESPN』へこのように話していた。

 「我々はリーグでトップ5に入るディフェンシブチームへと戻らなければならない。私がそう言っても、彼ら(選手たち)はあまり気にしていなかった。私が言いたかったメッセージというのは、彼らがボックスアウトをしていなかったこと、パッシングレーンに入ろうとしていなかったこと、そして高いレベルで競い合っていなかったことだ」。

 カーHCが語ったように、今季のウォリアーズはディフェンス面において、過去3シーズンと比較して成績がダウンしている。

 平均失点では今季も含めて4シーズン連続でリーグ11位から19位と中間にランクインしているのだが、100回のディフェンス回数における平均失点(ディフェンシブ・レーティング)では7位以内をキープ。優勝した14-15シーズンは99.6失点でリーグトップ、昨季も101.8失点でリーグ2位を誇っていたことから、ウォリアーズ優勝のカギはディフェンスにあったと言っても過言ではない。

 ところが今季は、その数字がリーグ13位の106.3失点までダウン。ディフェンス面の柱となるイグダーラやグリーンを10試合以上も欠いていたとはいえ、プレーオフを迎えるにあたり、大きな不安要素と言えるだろう。

 もちろん、ウォリアーズはウエストで最も直近のプレーオフ経験が豊富なため、15日(同14日)から始まるプレーオフで、突如としてギアを上げてくる可能性も否定できない。

 ただ、今季は故障者が多く、フルメンバーで戦うことがあまりできていない点は気がかりだ。また、メンタル面で意思統一できたとしても、今季のプレーオフはコンディション面において、過去4シーズンで最も悪いと言わざるをえないだろう。

 チーム史上初の連覇を狙うウォリアーズが、プレーオフに向けてどのようにアジャストしてくるのか。引き続き注目していきたい。

プレーオフまでの短い期間に、ウォリアーズはトップレベルのディフェンスを取り戻せるのか?[写真]=Getty Images