2020.04.16

パウ・ガソルがレイカーズ加入直後に起きたコービー・ブライアントとの思い出を語る

レイカーズ時代、ガソルはコービーと強力なタッグを組み、チームに栄光をもたらした[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBAには名コンビやBIG3など、いつの時代にも優れたユニットが存在する。故コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)にとって、それはパウ・ガソル(ポートランド・トレイルブレイザーズ)だった。

 スペイン代表の黄金世代であるガソルは、2001-02シーズンに当時の所属球団だったFCバルセロナに自ら違約金を払って、NBA挑戦を決意。アトランタ・ホークスからドラフト全体3位指名を受け、トレードでメンフィス・グリズリーズに入団し、初年度から新人賞を受賞した。

 それから6年後の2007-08シーズン、ガソルはトレードでロサンゼルス・レイカーズに加入。2年目、3年目のファイナルでは、当時のインサイドを牛耳っていたドワイト・ハワード(レイカーズ)とケビン・ガーネット(元ボストン・セルティックス)を凌駕し、コービーとともにレイカーズに連覇をもたらしている。

 ガソルとコービーは、正真正銘の“ブラザー”である。ガソルのレイカーズ退団後も友好な関係は続き、その絆にチームメートであることや物理的な距離は関係なかった。

ガソルがチームを離れた後も、2人の友情に変化はなかった[写真]=Getty Images


 ガソルは『ESPN』のシニア・ライターであるザック・ロウとリモートで対談した際に、コービーとの思い出をシェア。レイカーズへのトレードからまもなく、初めてコービーと個人的に会った日の出来事を語ってくれた。

「本当に(トレード)直後のことですね……。フィジカルチェックの終了後、ワシントンD.C.に滞在していたチームに合流しました。チームは移動中で、そこに僕が合流する形でしたが、試合に出る予定はなく。一緒に練習する機会はもちろん、まだ何もしていなかったですからね」

「でも、コービーは僕のトレードが決まってすぐに、僕にテキストを送ってきてくれて、ワシントンD.C.に着いたら僕の部屋に寄り、いろいろと話しをしながら、チームに歓迎したいと言ってくれたんです。でも、僕は彼に『夜中の1時半を過ぎるし、そこまでしてもらわなくて大丈夫。明日まで待とう』と伝えたんですが、彼は『いやいやいやいや。俺は行くよ』って感じで。そしたら本当に彼が来てくれて……僕は心の底からうれしかったし、彼は『俺は君がレイカーズに加入してくれて本当に嬉しいよ。めちゃくちゃ興奮しているし、とにかく最高だ。とりあえず、チャンピオンシップを勝ち取ろう』と言ってくれました」

「彼は最初のメッセージから、これから起こること、彼の人柄、そして僕がレイカーズで持つべきマインドセットのレベルなどを伝えようとしてくれたんです。この時点で、プレーオフで負けるなんてことは考えられませんでしたね。僕はここでチャンピオンを目指すという自覚が芽生え、彼がどのようなリーダーであることを僕に示してくれたのは、本当に素晴らしいことでした」

 これまでコービーのリーダーシップに迫るコンテンツを数々見かけたが、ガソルのストーリーはそのどれとも似て非なるものである。また、ガソルにとってコービーはかけがえのない存在であり、不慮の事故でコービーが亡くなった直後には、彼の家族をサポートするべく、すぐさまロサンゼルスへと駆けつけていた。

 なお、ガソルは先日、彼にとっての大きなターニングポイントとなったレイカーズへのトレード直後の記憶もシェアしている。

文=Meiji

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