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3年ぶり通算8度目となった「NBAジャパンゲームズ2022」は、昨季覇者ゴールデンステイト・ウォリアーズがワシントン・ウィザーズに2連勝を飾って幕を下ろした。
両チームの選手たちのうち、会場となったさいたまスーパーアリーナでプレー経験があったのは、昨夏の東京オリンピックで日本代表の得点源として活躍した八村塁(ウィザーズ)、アメリカ代表の金メダル獲得に貢献したドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)の2選手のみ。
そしてウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は当時アメリカ代表でグレッグ・ポポビッチHC(サンアントニオ・スパーズHC)の下でアシスタントコーチ(AC)を務めており、現在は同代表の指揮官となっている。
約1年ぶりの日本、そしてさいたまスーパーアリーナで臨むプレシーズンゲームを前に、カーHCは新型コロナウイルスの感染拡大防止のために無観客開催となった東京五輪をこのように振り返っていた。
「我々は19日間も自分たちのホテルにいたと思う。文字どおり、あそこから出られなかったんだ。私としては何度か散歩するためにこっそり抜け出していたかもしれないし、そうではないかもしれないがね」。
最後は少し笑みを見せながら話していたウォリアーズ指揮官は、今回の来日で「ここのホスピタリティは最高なんだ。(だから)昨年はこれ以上ないくらいの皮肉だった。オリンピックを開催していて、ホスピタリティでおそらく世界一なのに、すべてが封じられてしまったからね。あれはとても悲しいことだった」とも話していた。
では、今回の来日はどうだったのか。カーHCは日本のホスピタリティを実際に体験してどう感じたのか。このことが気になり、本人にどうしても聞きたくなった。
とはいえ、さすがに試合後の会見で聞くような内容でもないとは認識していたので、第2戦の試合前会見で質問する機会を得たので聞いてみると、こう答えてくれた。
「日本のホスピタリティはすばらしいね。どんな状況でも感じることができるんだ。リスペクトにサービス、優しさなどがあるからね。私は日本に来るのが好きなんだ」。
ウォリアーズは9月28日夜にアメリカから日本へ到着後、翌29日に観光をする傍ら、チーム練習やメディア対応をこなし、30日にウィザーズとの第1戦に勝利。1日にはサタデーナイトで複数の選手たちがイベントへ参戦し、2日の第2戦にも勝利して遠征を終えたのだが、そのほかにも選手たち、またはチームとして日本でさまざまな活動をしており、そのなかでカーHCは日本の“おもてなし”を肌で感じてくれたのだろう。
トレーニングキャンプ開始からわずか3日で遠征へ向かい、1度チーム練習をしてからジャパンゲームズへ臨んだウォリアーズ。残念ながらクレイ・トンプソンとアンドレ・イグダーラはコートへ立てなかったものの、ステフィン・カリーやグリーン、アンドリュー・ウィギンズらはプレーしており、カーHCはプレシーズンとはいえいずれも勝利をもたらした。
これからホームでレギュラーシーズン開幕に向けてチームを作り上げていくのだが、過密日程の中で選手たちが見せてくれたパフォーマンスと対応の数々、そしてカーHCの真摯な対応に、この場を借りて大きな拍手を送るとともに感謝の気持ちを伝えたい。
文=秋山裕之
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