2022.09.19

POで“最後に敗れた”ウェストのチームをグリーンが語る「堅いチームじゃなかったな」

2014年のプレーオフ1回戦時のグリーン(右)とポール(左)[写真]=Getty Images
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 昨季4年ぶり通算7度目のNBAチャンピオンに輝いたゴールデンステイト・ウォリアーズは、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が2014-15シーズンに就任後、プレーオフへ6度進出していずれもNBAファイナルへと駒を進めている。

 つまり、ウォリアーズは現行体制になってから、ウェスタン・カンファレンスのチーム相手にプレーオフシリーズを一度も落としていないということになる。

 ステフィン・カリークレイ・トンプソンドレイモンド・グリーンというビッグ3がウェストのチームとのシリーズで最後に落としたのは、マーク・ジャクソン前HCが指揮していた14年のこと。

 その当時、カリーとトンプソンこそスターターだったものの、パワーフォワードには元オールスターのデイビッド・リー(元ニューヨーク・ニックスほか)がおり、フロントコートはリー、アンドレ・イグダーラ(現フリーエージェント)、アンドリュー・ボーガット(元ウォリアーズほか)が先発を形成しており、グリーンはローテーションプレーヤーに過ぎなかった。

 だがボーガットがレギュラーシーズン終盤にケガで離脱。グリーンはプレーオフに入って出場時間を手にし、ファーストラウンド第4戦からジャーメイン・オニール(元インディアナ・ペイサーズほか)に代わってスターターへ昇格。

 とはいえ、この年ウォリアーズに立ちはだかったのはロサンゼルス・クリッパーズクリス・ポール(現フェニックス・サンズ)、ブレイク・グリフィン(現フリーエージェント)、ディアンドレ・ジョーダン(現デンバー・ナゲッツ)、JJ・レディックジャマール・クロフォード(ともに元クリッパーズほか)がおり、“ロブシティ”の異名で知られた彼らが4勝3敗でシリーズを制したのである。

 リーグ最高級の司令塔(ポール)に屈強なフロントコート(グリフィンとジョーダン)、シューター(レディック)にリーグ有数のシックスマン(クロフォード)を擁したクリッパーズは、リーグ屈指の戦力を有していた。

 もっとも、先日公開されたポッドキャスト番組「Checc’n In Podcast」へゲスト出演したグリーンは「あの頃は皆がクリッパーズについて次にくるヤングチームだと話していた。けど俺たちは信じちゃいなかった」と口にしていた。

「俺たちは彼らが最有力候補という気はしていた。それが正直なところだ。(だが)俺たちが彼らを倒したら、(ささいなことで)言い争いをしていた…。勝っている時はロブシティなのにだ。で、負けると口論になるんだ。彼らは決して堅いチームじゃなかったな。最有力候補ではあったけどね」。

 クリッパーズはその年のカンファレンス・セミファイナルでオクラホマシティ・サンダーに2勝4敗で敗退。ポールが在籍した11-12から16-17までの6シーズン、クリッパーズはいずれも勝率6割以上を残し、フランチャイズ史上最長の6シーズン連続プレーオフ出場を果たしたものの、主力のケガなどもあって結局勝ち切れず、6度のうち3度でカンファレンス・セミファイナル敗退、残り3度は1回戦で姿を消し、17年夏にポールをヒューストン・ロケッツへトレードしたことで事実上の崩壊となった。

 彼らからすれば、ポールとグリフィンが健康体でプレーオフを戦い切ることができていれば、という思いもあったかもしれない。だがケガはどのチーム、どんな選手にも起こりうることであり、ゲームの一部でもある。

 ちなみにグリーンはそのシリーズ第6戦で14得点14リバウンド4アシスト5スティール、第7戦では5本の3ポイント成功を含む24得点に7リバウンド3アシスト2スティール2ブロックと大活躍。見事チャンスをモノにし、翌14-15シーズンからスターターに定着したこともあり、キャリアのターニングポイントとも言えるシリーズだった。

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