2023.07.20

Wリーグのサマーキャンプに出場した女子韓国代表のパク・ジス…「同世代の選手たちのように頑張らないと」

WKBLのKBスターズに所属し、女子韓国代表の顔ともいえるパク・ジス [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 女子日本代表にとって女子韓国代表は、これまでもアジアカップやワールドカップなど国際大会で幾度となく名勝負を演じてきたアジアの良きライバルだ。

 その女子韓国代表において若い頃から主力を担ってきたのがセンターのパク・ジスで、194センチの高さに加え、うまさも持ち合わせる。

 パク・ジスは、2018年の19歳のときにWNBAのドラフト2巡目5位でミネソタ・リンクスに指名を受ける。直後、ラスベガス・エーシズへトレードとなり、エーシズの一員として2008年にWNBAデビューを果たした。その後も2019年、2021年と3シーズン、エーシズでプレーした。

 また、韓国代表としも2018年の女子ワールドカップや2021年の東京オリンピックなどに出場。昨年の女子ワールドカップは体調不良のために出場はならなかったが、今年の「FIBA女子アジアカップ2023」(6月26日〜7月2日)では代表復帰を果たした。

 そのパク・ジスが7月15日〜17日の期間で群馬県高崎市にて行われた「Wリーグ サマーキャンプ 2023 in 高崎」に所属するKBスターズ(WKBL)の選手として出場。初戦となる山梨クィーンビーズとの試合では、第1クォーターこそリードを奪ったが、第2クォーターで逆転を許すと前半は10点ビハインドに。後半に追い上げ、追いついた時間帯もあったものの、最後は山梨QBに振り切られて56ー70で敗退した。

「代表の試合(アジアカップ)が終わってから、私自身、初めての試合でした。今日のプレーは満足のいくものではなかったので、反省しなくてはいけない点が多いと思っています。もちろん、私自身も反省しなくてはいけないし、チームとしても明日以降はより良い試合を見せられるように努力しなくてはいけないと思っています」と、パク・ジスは試合を振り返る。

 自身は15得点16リバウンド5ブロックショットをマークしたものの、「ゲームに入る気持ち、ゲームに入る姿勢から改めて見直さないといけない。(山梨QBとの違いとして)スピードもありますが、一つの試合に対して全力を尽くすという姿勢も足りていませんでした。そこは日本の選手から学ばなくてはいけないと思います」とも発した。

コンディションはまだ6、7割だというパク・ジスだが、日本でも高レベルのプレーを披露した [写真]=Wリーグ


 初戦を終えて反省仕切りだったが、翌日の2戦目はENEOSサンフラワーズに85-67、続く3日目のプレステージ・インターナショナル アランマーレ(以下アランマーレ秋田)との試合でも91-63と2連勝。パク・ジスもENEOS戦は17得点12リバウンド、アランマーレ秋田戦は19得点7リバウンド6アシストを記録し、同じく韓国代表でスター選手の一人であるカン・イスルとともにチームを引っ張った。

 女子韓国代表は、先に挙げたアジアカップでベスト4入りを逃し、来年2月に開催予定のオリンピック世界最終予選(OQT)への出場権を得ることができなかった。「今回は残念な結果になりました。でも、まだアジアゲーム(アジア競技大会)があります。応援してくれる方たちの気持ちに応えられるようにアジア競技大会に向けてて頑張ろうという話をして(代表チームは)一旦解散しました。私も再び招集されたときには、しっかりとやっていきたいと思います」という。

 1998年生まれで、日本では赤穂ひまわり(デンソーアイリス)、馬瓜ステファニー(エストゥディアンテス/スペイン)らとは同級生となるパク・ジス。ほかにもアジアカップで激しいマッチアップを見せた中国代表のハン・シュウ(ニューヨーク・リバティ)も1999年生まれの同世代だ。そして彼女たちは、U18アジア選手権など、アンダーカテゴリーの時代からしのぎを削ってきた。

「最近は他国の代表選手も私たちと同じ年が多くなってきましたね」という彼女は、「今回のアジアカップで、そういった選手たちが育っているときに、私は成長していないなと感じました」とも語った。

 だが、高いパフォーマンスを発揮するパク・ジスは、これからも韓国にとって欠かすことのできない存在であることに違いはない。インタビューの最後には、今後に向けての熱い思いを語ってくれた。

「今まではただ一生懸命やっていたのですが、今回のアジアカップの結果を受けて、私のモチベーションは何だろうということも考えながら、大会を振り返りました。やっぱり、同世代の選手たちが頑張ってる姿を見て、私も彼女たちと同じように頑張らなくてはいけないということが一つの原動力になっています。それをモチベーションの一つとして頑張っていきたいと思っています」

取材・文=田島早苗

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