2020.03.14
「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2020 IN HOKKAIDO」が1月18日、レバンガ北海道のホームアリーナである北海きたえーるにて5073名の大観衆を集めた中で開催された。
北海道で行われた今回のオールスターゲーム、レバンガ北海道の選手だけではなく「どさんこ」と言われる北海道出身の選手たちも多く出場した。もちろん今シーズンで引退を表明しているバスケ界のレジェンド・折茂武彦も出場。彼とともに2007年に北海道にやってきた桜井良太(レバンガ北海道)は、安堵の様子を見せながら夢の祭典を振り返ってくれた。
「いい形で終わる事ができてホッとしています。地元開催ということでもう少しいい所を出せれば良かったかなと思いましたけど、やはりチームがしっかりと勝って折茂さんがMVPに輝いて、皆さんに素晴らしいゲームを見せられて良かったと思います。本当にいい思い出になりましたね。折茂さんとは通算15年間、一緒にプレーしていましたけど、お互いにこの歳になってもオールスターゲームに出場できるのは幸せなこと、いい記念になりました。昨シーズンに富山で開催されたオールスターでは出だしから緊張してプレーが破茶滅茶でしたが、今回は慣れ親しんだ北海道という事で緊張感がなくて、少しリラックスしすぎちゃいましたね(笑)。後半はシュートもしっかり入って良かったですし、楽しかったです。普段ホームゲームで見られない顔もあったりして、たくさんの方がアリーナに集結して楽しかったと感じてくれたのではないかなと思っています」
昨季に富山で行われたオールスターでMVPに選ばれ、今シーズンは2年連続のMVP獲得という偉業に挑んだ大塚裕土(川崎ブレイブサンダース)は第2クォーターで2本連続3ポイントシュートを決めるなど見せ場を作ったが、レジェンドの前に偉業を達成する事ができなかった。選手入場時には自身が就任している「北海道名寄市観光大使」のタスキを掛けて、地元をアピール。あの富山での日から1年間思い続けた地元でのオールスターゲーム出場を達成して、自身の夢をまた叶えたのであった。
「本当にホームのような感じで、選手入場から楽しめました。3ポイントシュートが2本連続で入った時にMVP候補には行けるかなと思いましたけど、その後は流れをつかめなかったですね。試合後に相手の桜井選手から聞いたのですが、僕が2本連続で決めた瞬間に相手のルカ・パヴィチェビッチヘッドコーチ(アルバルク東京)が『真面目にプレーしなさい』と相当怒ったみたいで(笑)。でも、今後のオールスターゲームがそういう風にいつも真剣勝負で行われれば、より面白くなるかもしれないですね。今回は地元開催ということで、自分の関係者の人たちに来てもらえて良かったです。そして、あの北海道を代表する番組の『どさんこワイド179』にも出演できて…。出演が決まった時は、まさか自分が出られるなんて夢みたいだと感じて、本当にうれしかったです」
北海道で開かれた今シーズンのオールスターゲーム、次回は南国「沖縄」での開催がすでに決定。会場は2020年10月に供用開始予定で、エンターテイメント性を追求したつくりになるという「沖縄アリーナ」だ。ゲームのラストには折茂武彦から琉球ゴールデンキングスでキャプテンを務める田代直希にオールスターボールが手渡され、最北端から最南端へオールスターゲームのバトンがつながれた。
コート上で田代は「沖縄の方々も来シーズンのオールスターゲームを楽しみにしていると思いますし、一人でも多くの方に足を運んでもらいたいと思います」とコメントした。
本人はケガの影響もあり、大事をとって出場機会は限られた形となった。しかし、第4クォーター残り39秒でコートに足を踏み入れる。これは同じチームであるB.WHITEを率いた大野篤史ヘッドコーチ(千葉ジェッツ)の、粋な計らいであったことを試合後に明かしてくれた。来シーズンが沖縄開催ということを考えて少しでもオールスターの雰囲気を味わって欲しかったという思いがあったのだろう。
「ラストは大野ヘッドコーチのご好意でコートに出させてもらえたので感謝しかないですね。北海道はもう食べ物がおいしくて…。元から好きでしたが、今回でまたさらに北海道が好きになりました」
そして改めて来シーズン行われる沖縄でのオールスターゲームへの意欲を語ってくれた。
「新たに作られるエンターテイメント性の高いアリーナなので、今年以上にすごい演出になると思いますし、沖縄のファンも今年以上に熱を持って盛り上げてくれると思います。今からすごく楽しみです」
最北端から最南端へとオールスターボールは日本を縦断する事になった。日本にあるアリーナの概念を、そして日本のエンターテイメントの概念を変えるに違いない新たなアリーナで開催される2021年のオールスターゲーム。沖縄県という最高のリゾート地がすでに我々を待っている。その時が来るのを、今から心を踊らせて待ちたいと思う。
文=鳴神富一
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