2025.12.01
高校バスケ日本一を決める「SoftBank ウインターカップ」が12月23日に開幕する。東京体育館をメインに29日まで男女120チームが頂点を目指す熱戦を彩る注目チームと選手を紹介する。
文=小沼克年
昨年のウインターカップ、鳥取城北高校(鳥取県)は県勢初の決勝進出を果たす快進撃を見せ、その名を全国に轟かせた。その勢いは2025年に入っても衰えることなく、インターハイでは初の日本一にたどり着いた。
チームの軸となるのは新美鯉星、豊村豪仁、ハロルド アズカの3年生トリオ。昨年のウインターカップ準優勝にも大きく貢献した3人が攻守において安定感をもたらし、内外から得点を量産するアズカはエースの役目も担う。
他のプレーヤーの台頭も今年の強さをより盤石なものにしている。永田惺雅(3年)は、昨年のウインターカップではケガの影響もありベンチ入りを逃した1人。しかし今年はスタメンに名を連ね、得意の3ポイントシュートで攻撃に厚みを加える。
福元源士はドリブル、パス、シュートと華麗なスキルで相手を翻弄する2年生ガード。フィリモン ホムタワ タルモンは早くも不可欠な存在となっている1年生センターで、インターハイでは全試合で先発出場を果たしてインサイドを支えた。
今年は「U18日清食品トップリーグ」にも初出場を果たしたが、結果は4勝3敗で3位。河上貴博コーチは「自分たちの良さも悪さもわかったので、すごくいい大会になりました」と振り返り、ウインターカップを見据えた。
「自分たちの強みはディフェンスでしっかり守って、そこから走るという部分だと再確認しました。ただ、劣勢の展開になるとディフェンスで粘り強さが欠けてしまったり、オフェンスが前のめりになってしまう悪循環に陥ってしまったので、そういう場面で何を頑張らなければいけないかをしっかり整理することが大事になってくると感じました」
再び栄冠をつかむには、選手層の拡大が1つのポイント。河上コーチも「インターハイは主力選手のプレータイムが長かったので、そこをもう少し分散できるようにしたい」と語る。
夏の覇者はあくまでもチャレンジャー。昨年逃した“あと1勝”の壁を越えるため、一戦必勝で冬の頂を目指す。

アズカはオールラウンダーであり、モチベーターも務める [写真]=伊藤大允
24得点11リバウンド4ブロック――。今夏のインターハイ決勝、アズカは大車輪の活躍を見せた。
持ち味は相手のマークや戦況に応じてプレースタイルを変えられる万能性。2メートルの長身と長いリーチを生かしてゴール下で存在感を放ったかと思えば、3ポイントでも得点を稼ぐ。
常に前向きで明るい性格も、アズカを語るうえで欠かせない。日本語でのコミュニケーションも問題なく、リーダーの1人としてチームの雰囲気づくりも意識している。
「もし試合中にアズカの顔が良くなかったら周りが緊張しちゃう。みんなに落ち着いてもらうのもアズカの仕事」
今年は右ひざのケガに悩まされたため、ウインターカップでも序盤の戦いは途中出場になる可能性もある。それでも、背番号28がチームに与える影響力は変わらない。アズカは言う。
「シュートを打っても、入らない時は絶対ある。それはアズカだけじゃなくて、みんなも一緒。いいときも悪いときも声を出して、みんなと一緒に頑張ることが一番大事」
ウインターカップ初優勝、夏冬2冠のために必要なことを聞くと、「走ることとか、ルーズボールとか、リバウンドとかを頑張らないといけないです」と鳥取城北の柱は力を込めた。
2025.12.01
2025.12.01
2025.11.30
2025.11.24
2025.11.23
2025.11.19