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『B MY HERO!』
ジョーダン ブランドが主催するグローバルトーナメント「THE ONE」の東京予選が7月5日に開催され、佐藤凪が見事優勝を果たした。1試合8分、ショットクロック9秒、23点ノックアウト制という独自ルールのもと、1on1に特化した熱戦が繰り広げられた。
佐藤はクォーターファイナルで新美鯉星を23−13で下すと、セミファイナルではドス サントス マノエル ハジメを15−13で退け、決勝へとコマを進めた。ファイナルの相手は栗原咲太郎。一進一退の攻防が続く中、佐藤がドライブやストップからのジャンプシュートで得点を重ねたが、栗原も左ドライブで対抗し、試合は13−13の同点に。そこから栗原が3ポイント、ジャンプシュート、フリースローを決めて19−13と突き放した。
しかし佐藤はここから驚異的な粘りを発揮。ミッドレンジのジャンプシュートやドライブで着実に点を積み重ね、19−19の同点に持ち込んだ。残り10秒、左ドライブからのリバウンドショットはリングに嫌われたが、サドンデスに突入。最後はリング下まで潜り込んでねじ込むようなシュートを決め、頂点に立った。

優勝の喜びを語る佐藤凪 [写真]=バスケットボールキング
「もう本当に、嬉しいのと、こうやってお客さんが集まってくれて、すごい環境でプレーできて楽しかったです」と佐藤は笑顔を見せる。1on1への強いこだわりについては「1対1では負けられないというプライドがあるので、本当に勝ててほっとしています」と力を込めた。
今大会では、ガードからセンターまで様々なタイプの相手と対戦したが、「そんなに相手のことは気にせず、自分の持ち味に集中して毎試合に臨みました」と精神面での準備を重視した姿勢がうかがえる。オフェンスでは「自分のリズムで常にプレーすること」、ディフェンスでは「相手のストロングポイントを出させないこと」を意識したという。
試合間のインターバルが長い大会形式にも柔軟に対応し、「知っているメンバーが多かったので、リラックスして過ごしながら徐々に試合モードに入りました」と自然体で大会に臨んでいたことがうかがえる。特別な練習はしていないが、「とにかく1対1で負けたくなかったので、マインドセットだけはしっかり準備しました」と話す。
とりわけ印象に残ったのは、準決勝と決勝で突入したサドンデスの場面だ。「内心めちゃくちゃ焦ってましたけど、自信を失わずにプレーできました。最後のシュートはすごく鮮明に覚えていますし、本当にうれしかったです」と振り返った。
身長のハンデを補うために取り組んできたのがミッドレンジのジャンプシュート。「今日は自分のリズムでやれて、しっかり点を取れたので、自分の武器を再確認できました」と確かな手応えを得た様子だった。

8月、ニューヨークで行われる世界大会に出場 [写真]=バスケットボールキング
8月にはニューヨークで行われる世界大会が待っている。「サイズでは負けてしまうけど、スピードやスキルは負けない自信があります。自分の良さを出し切って、自分のペースで戦いたいです」と意気込みを語る。そして「優勝します」と力強く宣言した。
憧れの選手について聞かれると、「ポイントゴッドと言われるクリス・ポール選手にはすごくリスペクトしていますし、小さいころからビデオを見てきた憧れの存在です。あとはルカ・ドンチッチ選手。NBAの顔とも言える存在なので、もし会えたらうれしいです」と目を輝かせた。
文=入江美紀雄