2025.06.22

“新人王”や“MIP”も! B2からも多数選出…ホーバスJAPAN未出場の日本代表候補Bリーガー10選手を紹介

日本代表候補に選出されたホーバスJAPAN未出場のB リーグ選手たち[写真]=B.LEAGUE
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 8月5日から17日にかけて行われるFIBAアジアカップ2025に向けて、男子日本代表は6月11日に候補選手42名をリストアップした。常連選手以外にも、今シーズン頭角を現した中堅や若手、さらには学生選手まで名を連ねたこのリストから、ホーバスJAPAN未出場のBリーグ所属選手10名をピックアップして紹介する。

文=バスケットボールキング編集部

※プロフィール情報は6月22日時点
※6月21日発表の日本生命カップ2025(東京大会)直前合宿に招集されていないメンバーも含まれます

中村太地|“身体能力”と“長距離砲”兼備の大型ガード

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:1997年6月29日(27歳)
ポジション/身長・体重:PG・SG/190センチ・87キロ
所属:島根スサノオマジック

 福岡大学附属大濠高校を卒業後、法政大学時代は1年次から毎年特別指定選手としてBリーグを戦い、2020年から2シーズンにわたって韓国のKBLでもプレーするなど珍しいキャリアを歩んできた中村。今シーズンは高校時代を過ごした福岡に戻り、ライジングゼファー福岡の一員として自身初のB2を戦った。
 シーズン途中にセカンドユニットに固定されると、チームの成績と共に自身のパフォーマンスも急上昇。最終的に帰化選手を除く日本人選手としてB2 5位となる1試合平均11.3得点をマークした。ガードポジションながらダンクも決められる190センチの長身と高い身体能力が魅力で、積極的かつ高精度の3ポイントに加え、外国籍選手と渡り合えるディフェンス力までも兼ね備える。さらに、ベンチからでも活躍できる点は大きなアピールポイントとなるだろう。
 中村は日本生命カップ2025(東京大会)直前合宿のメンバーにも選ばれており、オランダ代表との強化試合でホーバスJAPANデビュー戦を迎えられるか注目だ。

前田怜緒|“1番”から“3番”までこなすオールラウンダー

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:1997年9月15日(27歳)
ポジション/身長・体重:SG・SF/191センチ・83キロ
所属:アルティーリ千葉

 圧倒的な強さでB2東地区を制し、悲願であるB1昇格を達成したアルティーリ千葉で主力としてシーズンを戦い抜いたのが前田怜緒だ。登録ポジションはシューティングガード兼スモールフォワードとされているが、ハンドラーとしてポイントガードの役割も十全にこなせる万能性が魅力。
 鋭いドライブから柔らかなフローターシュートを決めたかと思えば、B2プレーオフでは積極果敢に3ポイントを放って1試合平均11.8得点を記録するなど、豊富な得点パターンの持ち主。加えて、粘り強いディフェンスもチームから高い評価を得ている。信州ブレイブウォリアーズ時代の2022年に合宿に初招集されるも、日本代表デビューまでには至らなかった前田。チームとともに個人としてもキャリアに新たな一歩を刻めるか注目したい。

高島紳司|B1優勝戦線の中で覚醒した“3&D”

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:2000年10月13日(24歳)
ポジション/身長・体重:SG/191センチ・88キロ
所属:宇都宮ブレックス

 琉球ゴールデンキングスとの激戦を制し、リーグ最多となる3回目の優勝を果たした宇都宮ブレックス。悲願達成の大きな要因の一つとして語られるのが「若手の成長」で、その代表格となるのが高島紳司だろう。長い手足と豊富な運動量を生かしたディフェンスはすでに“エースキラー”の領域に足を踏み入れかけており、果敢な3ポイントと合わせて“3&D”としてチームの中で自身の立場を確固たるものとした。
 大東文化大学時代に特別指定選手として大阪エヴェッサに加入した際には、大学生ながら1試合28得点を挙げる活躍を見せるなど、以前からその強心臓ぶりは注目されていた。今シーズンの宇都宮においても勝負どころで決める3ポイントに定評があり、CSクォーターファイナルのシーホース三河戦Game1第4クォーターで3本の3ポイントを決めた際には、劣勢のチームを救った救世主として称賛を受けた。

三谷桂司朗|地元・広島で躍動 EASL制覇の立役者

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:2001年6月15日(24歳)
ポジション/身長・体重:SF/191センチ・95キロ
所属:広島ドラゴンフライズ

 宇都宮とともに、若手選手の躍進が目立ったチームの一つが広島ドラゴンフライズだ。特に広島は、昨シーズンのBリーグ王者として臨んだEASL(東アジアスーパーリーグ)で、若手選手が次々と活躍し、見事優勝を果たしている。その中でもひときわ存在感を示したのが、地元出身の三谷桂司朗だ。
 広島皆実高校時代に“高校生Bリーガー”として初めてドラゴンフライズのユニフォームに袖を通して以来、一貫して地元でプレーを続けてきた三谷は、昨シーズンからディフェンス面で高く評価されていたが、今シーズンはオフェンス面でも成長を遂げた。特にEASL決勝では、持ち前の身体能力を生かしたパワフルなプレーで10得点を記録。海外チームとの対戦経験を、日本代表としての舞台でも活かせるかが注目される。

狩野富成|成長著しい日本人ビッグマン

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:2001年10月6日(23歳)
ポジション/身長・体重:C/206センチ・105キロ
所属:サンロッカーズ渋谷

 今シーズンのB2で頭角を表したビッグマンが、早速日本代表デビューのチャンスを勝ち取った。アメリカのスカイラインカレッジを卒業後にSR渋谷と契約し、B3の徳島ガンバロウズ、B2の信州ブレイブウォリアーズと期限付き移籍を重ねて着実に実践経験を積み、来シーズン満を辞してB1に挑戦する前に日本代表活動で腕を磨くことが期待される。
 最大の武器は高い身長と長い腕を生かした豪快なダンク、信州の勝久マイケルHCの下で磨いたディフェンス。当然リバウンドやブロックでの活躍も顕著で、B2プレーオフではアルティーリ千葉を相手に13リバウンド4ブロックを記録するなどインサイドを支配した。3ポイントこそ備えていないが、将来有望な若手ビッグマンとして注目されている。
 狩野も中村と同様に日本生命カップ2025(東京大会)直前合宿のメンバーに選出。オランダのビッグマン相手に貴重な経験を積むことができるか。

脇真大|大舞台でも輝く“Bリーグ新人王”

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:2002年3月11日(23歳)
ポジション/身長・体重:SG/193センチ・86キロ
所属:琉球ゴールデンキングス

 ルーキーイヤーながら強豪の琉球でスターティング5の座を掴み、年間にわたっての活躍が評価されて新人賞を受賞した脇真大は、名実ともに今最もホットな若手日本人選手だろう。チャンピオンシップでも、琉球の新エースとしてチームを準優勝に導く活躍を見せ、大舞台でも実力を発揮できる強心臓ぶりが目立った。
 脇は193センチの高さに加え、速攻の先頭を走る運動量の持ち主でもあるが、最大の武器はフィジカルの強さを生かしたドライブ。ディフェンスのコンタクトを物ともせずにレイアップを沈める姿を、ファンは何度となく目撃していることだろう。自ら課題に挙げている3ポイントも改善中。比江島慎馬場雄大のように日本を代表する“スラッシャー”となることを期待したいところだ。

小川敦也|宇都宮の新星 憧れの存在を追う大型PG

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:2002年6月24日(22歳)
ポジション/身長・体重:PG/190センチ・84キロ
所属:宇都宮ブレックス

 琉球の脇と同じく、CSで存在感を放った若手選手の1人である小川。190センチの大型ガードだが、ミニ・中学時代とポイントガードを務めたものの、高校、大学ではチーム構成の関係でインサイドも含む、オールラウンダーとしてプレー。それでもポイントガードとしてのプレー経験もあり、卓越したボールハンドリングはその頃から磨かれてきたものと言える。切れ味鋭いドライブに3ポイント、高い身体能力を活かしたファストブレイクからのダンクなど爽快なプレーが目を引く有望株だ。
 京都の名門・洛南高校出身の小川にとって、同校のOBであり現在は宇都宮のチームメートとなる比江島慎は憧れの存在。高校時代は比江島がつけた背番号「5」を着用していた。もし小川がアジアカップで存在感を示すことができれば、宇都宮だけではなく日本代表としても同じコートに立つ機会があるかもしれない。本人はもちろん、多くのファンもその光景が実現することを期待しているだろう。

湧川颯斗|ステップアップを続ける高卒プロ

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:2004年5月2日(21歳)
ポジション/身長・体重:PG/194センチ・84キロ
所属:三遠ネオフェニックス

 全国屈指の強豪である福岡大学附属大濠高校を卒業後、高卒ルーキーとしてプロ入りした湧川。滋賀レイクス時代の2023-24シーズンはB2でプレーオフ含め67試合に出場するなど主力として活躍し、昨夏加入した三遠でも今シーズン56試合出場、1試合平均4.5得点1.8リバウンド1.2アシストと確かな存在感を示した。
 大型の司令塔ながら、得意とするのはペイントアタック。さらには三遠加入後にディフェンス面での成長も目立っており、長い腕を生かしたスティールも強みの一つとなっている。高卒プロとして順調にキャリアを積み重ねている湧川が、日本代表入りをきっかけに更なるステップアップを果たせるか、大いに注目したい。
 湧川も日本生命カップ2025(東京大会)直前合宿メンバーの18名に入った。18名の中でポイントガード登録の選手は中村太地テーブス海・流河の兄弟、ジャン・ローレンス・ハーパージュニアといった面々。この中で最長身の湧川にデビューのチャンスは訪れるか。7月5日、6日に行われるオランダ代表との試合に注目したい。

星川開聖|ホーバスHC高評価のフィジカルモンスター

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:2004年11月19日(20歳)
ポジション/身長・体重:SF/194センチ・100キロ
所属:宇都宮ブレックス

 中学時代には宇都宮ブレックスU15でプレーし、今年1月に筑波大学を退学して宇都宮への帰還を決断した星川。194センチ100キロの体格を誇り、高校・大学とフィジカルの強さを生かしたポイントゲッターとして活躍してきた。今シーズン、宇都宮での出場機会は限られたが、ポテンシャルの高さは世代でも屈指のもの。
 星川は今年2月に行われた日本代表のディベロップメントキャンプにも参加しており、その際にホーバスHCから名指しで「星川は力がある。急いでないプレーをよくやっている。判断もいい」と称賛を受けていた。直後に行われたA代表の合宿にも追加招集されたことからも、評価の高さが伺える。今回の代表活動で、その評価をさらに確かなものにできるかが注目される。

瀬川琉久|高卒でB1即戦力 規格外の18歳

[写真]=B.LEAGUE


生年月日:2006年8月14日(18歳)
ポジション/身長・体重:PG/184センチ・76キロ
所属:千葉ジェッツ

 東山高校在学中だった今年1月に電撃プロ入りを果たした瀬川は、今シーズンB1リーグ戦22試合に出場して7.3得点をマーク。CSでは負傷の影響が残る富樫勇樹に代わり全5試合に先発出場を果たした。高卒選手とは思えない堂々としたプレーぶりで大きな注目を集め、今シーズンの最優秀インプレッシブ選手(MIP)にも選ばれた。
 以前からディベロップメントキャンプには招集されており、ホーバスHCからの評価も高かった瀬川。一方で現在のコンディションは万全ではないようで、ホーバスHCも「今ベストでできないのはしょうがない。次の合宿か、いつか(日本代表に)呼びますよ」とA代表への招集を焦ってはいない様子。一方で瀬川本人は「ここ(日本代表)でプレーしたい気持ちはものすごく強い」と話しており、そのデビューの瞬間がいつになるかも注目したいところだ。

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