2025.12.16
白鷗大学がインカレ王者の称号を取り戻した。12月14日に行われた「第77回全日本大学バスケットボール選手権大会」決勝戦で早稲田大学を破り、2年ぶり3回目の優勝。誰が出ても変わらない強さを発揮して勝利をつかむ――。白鷗大の信念は、今回の大一番でも、チームの絶対的存在を失っても揺るがなかった。
決勝で相まみえた早稲田大は秋のリーグ王者。今シーズン関東2部から1部復帰を果たしたばかりだが、ファイブアウトで全員が積極的に3ポイントシュートを放つ超攻撃型スタイルで旋風を巻き起こした。白鷗大もリーグ戦では早稲田大に2連敗を喫している。しかし、インカレ決勝では最終スコア101-83とオフェンス力で上回った。

最優秀賞を受賞したジョエル[写真]=小沼克年
第2クォーターでは相手がファウルドラブルに陥ると、立て続けに得点を奪い32-14で圧倒。その後は相手の3ポイントとハイペースな展開に苦しみ反撃を許した。それでも、わずか2点リードで始まった第4クォーター、小川瑛次郎(2年)が3連続3ポイントを決めて勢いに乗り、守備ではオフェンスファウルを誘って優勝を大きく手繰り寄せる。リードを10点に広げると、佐伯崚介の3ポイント、モンガ バンザ ジョエル(ともに4年)のバスケットカウントで突き放し、歓喜の瞬間を迎えた。
リバウンド争いでは早稲田大の28本に対して65本と大きく上回った。インサイド陣の境アリーム(3年)とジョエルはそろってダブルダブルをマーク。網野友雄ヘッドコーチが「今日はスタートのメンバーより積極性が出ていた」と話したように、小川、八重樫ショーン龍(3年)、ロイ優太郎(2年)といったベンチメンバーの活躍も光った。
最優秀選手賞に選ばれたのは、ゴール下でチームを支えたジョエル。「自分は4年生だし、最後の大会で気持ちも違かったから、めっちゃうれしい」と喜びを口にした202センチのビッグマンはリバウンド王との個人2冠に輝いた。網野HC、チームメイトも「みんなが納得」と奮闘ぶりを称えた。

佐藤離脱後の白鷗大を率いた佐古[写真]=小沼克年
「本当にいい後輩、いい同期に出会えたと思いますし、みんながついてきてくれたので感謝しかないです」
キャプテンの佐古竜誠(4年)は、想像もしていなかった4カ月間を過ごした。
昨年まではBチーム。大学ラストイヤーでようやくAチームの公式戦に出られるようになったものの、同じポイントガードにはエースで攻守の柱でもある佐藤涼成が君臨。シーズン当初は佐藤がキャプテンに就き、チームをけん引していた。
しかし佐藤は、8月に中国で行われた「アジア大学バスケットボールリーグ」を最後にBリーグ挑戦を決断。佐古の地元クラブでもある広島ドラゴンフライズへ活躍の場を移し、白鷗大のキャプテンに空席が生まれた。
「人付き合いもすごく上手くて、授業を見ていても頭のいい子なんですよ。そのバランスがいいなと思いましたし、いろんな同級生や後輩ともコミュニケーションがちゃんと取れるので佐古にしました」(網野HC)
新キャプテンに就任した佐古は、秋のリーグ戦から先発を担った。佐伯とともに激しいディフェンスを披露するだけでなく、得点面でも存在感を発揮。気づけば白鷗大の中心となり、最後は優勝カップを高々と掲げた。
「やっぱり自分たちは涼成に任せすぎていた部分があったので、涼成がいなくなったことで成長できた部分もたくさんあります」(佐古)

昨年のインカレでも活躍を見せていた佐伯[写真]=小沼克年
佐藤とともに2年前の日本一に貢献した佐伯は、佐藤からもらった手紙を今でも大事にしているという。「今日も試合前に握りしめて、しっかり力をもらいました。自分にとって涼成はバスケットを一番成長させてくれた存在なので感謝してます」
「涼成が抜けたことはチームにとってすごくマイナスでしたけど、今は全員がプラスだったと感じていると思います。自分たちで成し遂げたことが自信になっていると思うので、今後の伝統としても、カルチャーとしても積みあげていきたいです」(網野HC)
エースが残した炎は、仲間たちの胸でさらに燃え上がり、3度目の栄冠へと結実した。
文・写真=小沼克年
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