2017.08.21

「早く来い来い、Bリーグ開幕!」 シーホース三河ブースターの皆さんにほとばしる“三河愛”を語っていただきました

シーホース三河を愛してやまない3名のブースターの方にお話をうかがいました[写真]=江崎浩司
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「早く開幕しないか、本当に待ち遠しいです!」と異口同音に語られたのは、シーホース三河のブースターの皆さん。今回はそのほとばしる“三河愛”を存分語っていただきました。記念すべきBリーグ1年目のシーズンに皆さんが感じたのが、アリーナの雰囲気の変化。シーズンのクライマックスのころになると、アリーナに駆けつけるブースターの数が多くなり、そして、声をからして応援するようになったといいます。それがなんともうれしかったという皆さんのインタビューをスタートしましょう!

インタビュー=入江美紀雄
写真=江崎浩司、Bリーグ

――今日は非常に熱いシーホース三河のブースターの皆さんに集まっていただきました。思い切り“三河愛”を語っていただければと思います。まず初めにブースターになったきっかけをお話しいただけますか。
後藤達(ごとう・たつし)さん 小学校の時、NHKでアイシン(現シーホース三河)の試合を見たのがきっかけです。当時は大阪に住んでいたのですが、桜木ジェイアール選手のプレーにひかれて。パワフルなインサイドプレーヤーなのに「パスがめちゃくちゃうまい! やっぱり元NBAの選手は違うな」と思い、桜木選手のファンになって、そしてアイシンも好きになりました。
浅草直樹(あさくさ・なおき)さん きっかけはアイシン精機に入社して、配属された部署がバスケットボール部の応援団をしていたことです。僕自身は学生時代にサッカーをしていて、「バスケットボールなんて」ってずっと思っていたのですが、実際に試合を見たら「なんじゃこりゃ! とても面白い!!」と、たちまちはまってしまって、入社して2、3年で応援団長になっていました(笑)
戸根義信(とね・よしのぶ)さん 元々学生時代にバスケをしていたこともあり、アイシンに入社した時に同期の人間とバスケ部に入りたいって直訴したんです。社会人になってもバスケを続けたいなと思っていたのですが、結局断られてしまって(笑) ただ、その同期がバスケ部のマネージャーになることになり、だったら「これから応援するよ」と思ったのがきっかけです。まだ、鈴木貴美一さんがヘッドコーチに就任されておらず、日本リーグに上がる前の話ですから、かれこれ28年前のことになります。

テレビでアイシン(現三河)を見てファンになったという後藤達さん[写真]=江崎浩司

――では、どんな時に応援している喜びを感じられますか?
戸根さん 僕は2015-16、2016-17シーズンでキャプテンを務めていた橋本竜馬選手の大ファンです。橋本選手をとても尊敬していて、Bリーグになってからも彼が何かをするたびにとてもうれしいですね。すごいディフェンスを見せてくれれば一人でかなりテンションが上がりますし、彼のインタビューも心に響くので、本当にすごいなって。

――橋本選手といえば、開幕戦後のインタビューで涙を流しながら答えていましたよね!? ファンだったらたまらなかったのではないですか?
戸根さん 実は僕、橋本選手の後ろで画像に映り込んでいるんですよ、ちゃっかりと(笑) おっしゃるとおり目の前であのような感動的なインタビューが聞けて、「良いこと言ってるなあ。すごいなあ」ってもらい泣きしていました。今見ても泣けますけどね。橋本選手はとても発信力があり、そのキャプテンシーは素晴らしいものでした。
浅草さん 応援の時にチアスティックであったり、応援用のハリセンをたたくのですが、それがそろった時に感動します。1000人や2000人の方の音がそろって、それが選手たちのいいプレーにつながった時が一番うれしいですね。

戸根義信さんは3人の中ではブースター歴が一番長い[写真]=江崎浩司

――応援に選手がプレーでこたえてくれたら、それが醍醐味とも言えますね。
浅草さん 一番うれしかったのは初めていすゞ(自動車ギガキャッツ)に勝った時ですね。
戸根さん 間違いない!
浅草さん あの時、刈谷市体育館で、1000本のスティックの音がそろったんですよ。バンバンって! 当時、JBLの王者だったいすゞに勝てて、応援の力で勝てる試合があるんだなあと、今でも鮮明に覚えています。
戸根さん 震えましたね!
浅草さん 震えました!!

――後藤さんはいかがですか?
後藤さん シーホース三河って、選手一人ひとりの役割がきっちりと決まっていて、出場時間が短くても、しっかり自分の仕事ができる選手が多いと思うのです。それぞれがそれぞれの仕事を全うして勝った試合を見るのはうれしいですね。

――シブい見方ですね?
後藤さん 貴美一さんって、そういうチームマネージメントを徹底される指導者ですよね。まさにプロという感じだし、選手もプロ! 誰か一人ではなく、チームで勝った時って応援していても楽しいものです。貴美一さんは相手チームのスカウティングもきっちりしているし、そのアジャストも完璧! しかし、それは選手が遂行できなければチームの勝利にはつながりません。厳しい規律の中で勝っていく三河って格好いいと思います。

――逆に悩みはありますか?
戸根さん 土曜、日曜と負けてしまうと、週明けの月曜、火曜日は本当しんどいです(笑) 特に昨シーズンのチャンピオンシップ(CS)準決勝で栃木ブレックスに負けた時はきつかった…。もちろん栃木まで応援に行ったのですが、帰りの車の運転からしんどかった。変な熱出ましたもん。

応援団の団長を務めた経験がある浅草直樹さん[写真]=江崎浩司

――三河を応援することが生活の一部になられていますね。
戸根さん もう普段着もバスケ関連のものばかりですから。
浅草さん 次々と商品が出ますから(笑)
後藤さん チームウェアをいっぱい持っていますものね。
戸根さん かなりシーホース三河の宣伝している気はするんですけど(笑)
後藤さん 友達と「何かスポーツしようか」となると、着ていく服がすべてシーホースのものだったりします。「チーム愛がすごいな」って言われると、「うん。いっぱいあるんだよ」と答えています(笑)

――Bリーグが開幕してから、アリーナの雰囲気に変化はありましたか?
戸根さん かなり変わったと思います。僕らは以前から応援していたので声を出すのは慣れているのですが、周りのブースターの方から「今日は声がかれるまで応援したよ~」と言われることが多くなって、それがとてもうれしいですね。自発的に声援を送るブースターの方が増えてきました。それが以前とは大きな違いですね。
浅草さん 開幕当初は観客も数も決して多くなかったと思うのですが、それがシーズンの終わりのころにはほぼ毎試合満杯でした。それだけ増えた人数で応援する人の数も増えていくと、当然、アリーナの雰囲気も変わります。皆さん、バスケのゲームだけでなく、応援でも楽しまれるようになった気がします。

――三河ブースターならではの“あるある”があれば教えていただけますか?
後藤さん 悪い“あるある”ならありますね。ゲームの中で急に個人プレーが多くなり、インサイドにボールが入らなくなると、今日はやばいんじゃないかなって。これ、他の皆さんも思っていることではないかと思います。
浅草さん 僕は比江島慎選手のありえない動きをですね、それをマネしてしまうことです(笑) 今のプレーはどう動いたんだろうって確認します。
後藤さん リプレー見てもわからないですものね。
戸根さん わかんない! わかんない!!
浅草さん 顔に両手両足と、ありとあらゆるところを使って比江島選手はフェイントするんですけど、それを再現しようとチャレンジしますが、まず不可能です(笑)
戸根さん 僕がピックアップしたいのがフリースローの時の独特のリズム。ブースターは三河の選手がフリースローを獲得すると、待ち構えます。シュートが入ると…
一同 パーンパパン、イエー! パーンパパン、イエー!!
後藤さん みんなでしていますね。

「FLY AGAIN」がかかるとウィングアリーナ刈谷が青く染まる[写真]=B.LEAGUE


――ウィングアリーナ刈谷の独特の雰囲気ですね。
戸根さん MAN WITH A MISSION(マン ウィズ ア ミッション)の『FLY AGAIN』で盛り上がる時も最高です。
後藤さん マッチデープログラムに“Go! SEAHORSES!”と書いてあるページがあって、その曲に合わせて右上、左上と交互に振るのですけど、あれは本当にいいですね!

――どのタイミングで行うのですか?
戸根さん タイムアウトの時とハーフタイムが終わって、後半が始まる前です。この時、アリーナが青く染まるんですよ。その雰囲気もとても好きです。
後藤さん 青に染まるのがいいですね。
戸根さん 三河のブースターはさわやか系の方が多いですから(笑)

――いよいよBリーグ2シーズン目の開幕が迫ってきました。どのような気持ちで迎えようと思っていますか?
戸根さん 新たな気持ちで迎えたいですね。NBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)時代は応援団がリードしていたのですが、Bリーグになってから解散しました。いい意味でこれまでの流れを断ち切りたい思いはありましたね。そうして、新たに始まったリーグで、後半になってブースターが自分たちで盛り上がれるようになった。それは本当にと良かったなと思います。
後藤さん もう来シーズンは優勝しかありません!
浅草さん 優勝しかないですよ。
戸根さん 地の果てまで追いかけます(笑)
後藤さん ブースターの力で1つでも多く勝ち星を挙げたいですね。
浅草さん 僕はもっとブースター同士の距離を近づけたいですね。そうすればもっと盛り上がるのではないかと思います。

――そうなると、オフは物足りないのではないですか。
後藤さん さびしいです。早くシーズンが始まれって思っていますもの。
戸根さん 僕は準備で忙しい日々を過ごしています。何を準備しているかといえば応援グッズ。近くの雑貨屋さんや百円ショップで購入したものをカスタマイズしています。メガホンも百均で買いました。開幕戦(9月29日、栃木ブレックス戦)の宿も押さえましたから。

――他のチームのブースターとの交流はあるのですか?
戸根さん 結構仲良くさせていただいています。オフになっても、一緒に飲みに行ったりしていますよ。そこで、いろんな情報を交換しています。大体いがみ合っても仕方ないですから。
後藤さん 僕は初詣の時、全チームの全選手がケガしないようにとお願いしました。
浅草さん 素晴らしい!
後藤さん ケガだけは本当に嫌なので。三河はもちろんなのですが、全チームの選手が思い切りプレーする姿が見たいですね。切磋琢磨した環境の中で、三河が勝っていくシーンを見たいと思います。

――皆さんの三河愛を確かに受け止めました。来るシーズンも目いっぱい楽しんでください。今日は長い時間ありがとうございました。

皆さんのお宝グッズ拝見!

後藤達さんが持ってきてくれたのが、桜木ジェイアール選手のサイン色紙。そこに描かれているのは柏木真介(現名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)選手がダンクするシーン。なんと、桜木選手が特別に描いてくれた逸品[写真]=江崎浩司

戸根義信さんが持っているのはシーホース三河のマスコット、シーホース君のぬいぐるみ。これがとんでもないレアもので、JBL時代に製作された第1号のモデルとのこと。ラッピングして劣化を抑えてられいます[写真]=江崎浩司

桜木ジェイアール選手の大ファンである浅草直樹さんは、桜木選手と同じ32番が入ったユニフォームを持参してくれた。実はこのほかにも、チームのレジェンドである佐古賢一(現日本代表チームアシスタントコーチ)をはじめとする歴代の名選手たちのユニフォームもお持ちとか[写真]=江崎浩司

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