B1・東地区から注目の8選手をピックアップ [写真]=B.LEAGUE
すでに全勝も全敗チームもなく、例年以上の混戦となっている今シーズンのB1。開幕から3節を経過した時点で、各チームの特出したスタッツを残している選手をピックアップ。スキルをアップさせてプレイタイムをアップさせた選手もいれば、新天地で活躍の場を見つけ輝きを放つ選手もいる。そこで、東地区、中地区、西地区に分けて、今シーズン注目したい選手を紹介していこう。
文=吉川哲彦
北の地で躍動するフィリピンの至宝
ドワイト・ラモス【レバンガ北海道】
フィリピン代表でも活躍するラモス [写真]=B.LEAGUE
富山グラウジーズでプレーした昨シーズンは出場46試合中36試合でスターターを務めたが、今シーズンは第3節までの6試合全てにスターター起用され、1試合平均出場時間も昨シーズンの24.8分から約4分増加した。その分得点は増え、アシストの数字も大きく伸ばしているが、特にその影響が出ているのがスティール。5スティールを挙げた試合が早くも2試合、4スティールも1試合あり、1試合平均3.0スティールは第3節終了時点で堂々のリーグ1位だった。アジア特別枠選手は主にオフェンスでの活躍が期待されるが、ディフェンスでも高いスタッツを残せることは大きなアドバンテージ。シーズンを通してオールラウンドな働きを期待していいだろう。
ゴール下で存在感を発揮する仕事人
ラショーン・トーマス【仙台89ERS】
攻守にわたって仙台をリードするトーマス [写真]=B.LEAGUE
B1復帰にあたって入れ替えた2人の外国籍選手のうちの1人。第3節までの6試合でスターター出場は1試合だけだが、1試合平均15.2得点7.0リバウンド3.0アシストは及第点の数字と言っていいだろう。そして、昨シーズンB2で1試合平均失点がリーグ2位という強固なディフェンスを誇る仙台にとって、トーマスが最も必要とされているのがディフェンス面での貢献だ。スティールは1試合平均で2.0、ブロックは同1.2。唯一スターター起用された試合では19得点11リバウンドに加えて4スティール3ブロックと攻守両面で大活躍だった。リバウンドも含めてディフェンスで優位に立とうとした場合、トーマスの存在は相当貴重になっていきそうだ。
実はターンオーバーの少なさで貢献
中山拓哉【秋田ノーザンハピネッツ】
司令塔ながらディフェンス面での貢献が大きい中山 [写真]=B.LEAGUE
Bリーグ初年度の2016-17シーズンに特別指定選手として加入以降、チーム在籍が最長で、秋田の顔と言っていい選手。献身性が高く、数字に表れない部分での活躍が目を引くタイプだが、スティールは第3節までの6試合で9個、1試合平均1.5個を数え、リバウンドも同4.8本とガードとしては多い。特にディフェンス面で存在感を発揮するという印象が強い中、オフェンスでもターンオーバーの少なさが特徴。アシストが同4.7本に対してターンオーバーは0.7個で、バスケット発祥国アメリカで重視されるアシストとターンオーバーの比率は非常に高い。実はスタッツにもその貢献度の高さが十分に表れている選手であり、チームで重宝されている理由がよくわかる。
ついに開花したスコアラーの才能
中村功平【茨城ロボッツ】
中村のポテンシャルが開花するときが来たか⁉ [写真]=B.LEAGUE
昨シーズンから茨城でプレーし、
滋賀レイクス時代も含めた
Bリーグでの4シーズンはすべて
B1で過ごしている選手だが、これまでは必ずしも目立つ活躍をしていたわけではなかった。しかし、昨シーズン終盤の大ケガが癒えて迎えた今シーズンは、開幕節こそ無得点に終わったものの、第2節と第3節は出場時間を伸ばし、第3節の2試合はいずれも2ケタ得点をマークした。かねてから高く評価されていたシュート力を発揮し、3ポイントシュート成功率は41.2パーセントと高確率。第3節終了時点では1試合平均5.7得点だが、出場時間が伸びれば必然的にこのスタッツは向上していくはずだ。スティールも同1.2個と多く、スターター定着でブレイクなるか。
韓国のオールラウンダーが新天地で飛躍
ヤンジェミン【宇都宮ブレックス】
ヤンは安定感の高いぷれーでチームを支える [写真]=B.LEAGUE
アジア特別枠選手であり、サイズのあるフォワードとして活躍が期待されたが、
信州ブレイブウォリアーズでは一昨シーズンが1試合平均2.7得点、昨シーズンも同3.8得点と大きなインパクトを与えるまでには至らなかった。しかし、宇都宮に移籍した今シーズンは第3節までの時点で全試合ベンチスタートながら、出場時間が昨シーズンの同13.5分から1.5倍弱まで増え、得点は同7.2点とほぼ倍増している。その要因は50パーセントを記録している3ポイントシュート成功率。また、ターンオーバーが6試合でわずか4つしかないのも、チームとしては安心してコートに送り出せる理由の一つだろう。強固な土台のあるチームにフィットすれば、大化けの可能性もある。
チームの危機を救った若き司令塔
菅原暉【群馬クレインサンダーズ】
チームの危機であるが菅原はそれをチャンスに変えた [写真]=B.LEAGUE
大学時代に特別指定選手の経験があるとはいえ、まだ大卒2シーズン目。経験豊富な選手が揃う群馬では数少ない若手の1人だが、開幕前に
並里成が故障したこともあり、第3節までの6試合はすべてスターターに抜擢された。第2節は2試合とも30分近く出場するなど、一定の出場時間を与えられているだけに、1試合平均5.7得点、同2.7アシストというスタッツはもう少し伸ばしたいところだが、同1.5個というターンオーバー数は、チームオフェンスを司るポイントガードとしては良い数字。ミスの少なさにオフェンス面の向上が加わると、さらに出場時間は伸びる。並里の復帰と入れ替わるように
五十嵐圭が戦線離脱し、菅原にとっては成長のチャンスだ。
多項目で垣間見えるポテンシャル
ヴィック・ロー【千葉ジェッツ】
シュート力の高さが魅力のロー [写真]=B.LEAGUE
今シーズンの千葉Jでは唯一の新戦力。第3節までの6試合はすべてスターターとして出場し、1試合平均15.2得点6.8リバウンドと必ずしも突出した成績ではないが、フリースロー成功率は87.5パーセントと確実性がある。3ポイントシュートも35.5パーセントの成功率を誇り、今後はチームとしてもこのシュート力を最大限に活かしてくるに違いない。すでに2度ファウルアウトしており、試合によってはファウルトラブルで出場時間が限られるケースが発生するという懸念もあるが、裏を返せば、ファウルに気をつけさえすれば得点やリバウンドは増やせるということでもある。安定感もあり、ここからさらに存在感を増していくことが期待できる選手だ。
チームの不沈を握る高水準司令塔
ジャスティン・コブス【アルバルク東京】
安定したプレーもコブスの魅力 [写真]=B.LEAGUE
Bリーグでは貴重なポイントガードの外国籍選手。第3節までは全試合でスターターを務め、1試合平均17.5得点4.5アシストはいずれもチームトップ。他にもフィールドゴール成功率が52.1パーセント、3ポイントシュートに限っても成功率50.0パーセント、フリースローは成功率82.6パーセントと、どれをとっても高水準だ。特筆すべきはターンオーバーの少なさ。1試合平均出場時間は30分近いにもかかわらず、ターンオーバーは6試合で5個しかなく、ボールを持つ機会の多いポイントガードとしては極めて優れた数字だ。スタッツが多くを物語るオフェンス面でこれだけの数字を残せる選手は、言うまでもなくチームの勝敗に与える影響が大きい。
※選手のスタッツは第3節(10月16日)終了時点
夢のチームを作って戦う『B.LEAGUE#LIVE2022』でBリーグをもっと楽しもう
Bリーグ2022-23シーズンの開幕とともにスタートしたリーグ公認ファンタジースポーツゲーム『B.LEAGUE#LIVE2022』は、実在のB1・B2選手からドラフトしてチームを編成しプレイヤー同士で対戦するシミュレーションゲームだ。
プレイヤー同士の勝敗は、選手の実際のスタッツ=活躍に応じたポイントで争い、複数人だけでなく1人でも楽しめる豊富なコンテンツが用意されている。すでに多くのBリーグファンがプレイを楽しんでおり、他のユーザーと交流するツールとしても活用されるなど、上々の反響を得ているということだ。
このゲームの最も面白いところは、日本代表クラスの選手や個人タイトル争いの常連だけでチームを編成できない点。勝敗を競う上ではスタッツが何よりも重要となるが、実際のプロスポーツの世界で過去の実績によって選手の年俸に差が生じるのと同様に、これまでに高いスタッツを残してきた選手とそうでない選手を同じ条件で獲得することはできない。サラリーキャップ(選手総年俸額に上限を設ける制度)のようなシステムがあるこのゲームでは、未知数ながら将来性のある若い選手や、移籍などで出場機会増加が見込まれる選手などを見極め、チームに加える必要があるのだ。
本記事で紹介した第3節までの各選手の活躍度を参考に今後の展開を予想し、GM気分が味わえるこのゲームをより楽しんでみてはどうだろうか。