2023.05.03

千葉Jの富樫勇樹がCSへの決意を語る…「最高の準備をして頂点を掴み取りたい」

1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

 長きにわたって激しい戦いが繰り広げられたB1リーグ2022―23レギュラーシーズンもクライマックスを迎えようとしている。上位8チームによるチャンピオンシップ(以下CS)に進出するチームは、徐々に頂点をかけた戦いに向けてシフトチェンジしようとしている段階だ。

 その状況下で今シーズン、東地区を牽引した千葉ジェッツアルバルク東京の2チームが船橋アリーナで激突。4月30日の一戦は千葉Jにとってレギュラーシーズンのホーム最終戦だけに気合十分。ライバルのA東京を圧倒して94-66で勝利を収めた。

 この試合で千葉JBリーグのレギュラーシーズン最多勝数に並ぶ52勝、加えてB1通算300勝という金字塔を打ち立てた。また、この試合には日本代表トム・ホーバスヘッドコーチが視察、加えてNBAブルックリン・ネッツ渡邊雄太もプライベート観戦に訪れるなど話題も多かったことを付け加えておきたい。

「本当に素晴らしい試合になったんじゃないかと、攻防両面でチームと40分間集中できたかなと思っています。レギュラーシーズンも残りあと2試合。長いシーズンでやっとここまで来たなという気持ちもありつつ、最高の形で最後の2連戦を終えてCSに挑みたい」とゲームを振り返ったのは、富樫勇樹

 今シーズンの開幕前の千葉Jを振り返ってみると、コーチやスタッフ陣の総入れ替えによる新たなチームとして生まれ変わったこともあり、チームを作り上げるのに時間がかかるのではないかという声もあった。それでも日本での経験も多く、母国のドイツで豊富な実績を積み上げてチームの指揮官に就任したジョン・パトリックHCの下、強度の高いチームディフェンスとスピード感あふれるオフェンスで、レギュラーシーズン24連勝という偉大なる記録、そして天皇杯制覇と結果を残してきた。

「ヨーロッパでも80試合以上経験したのでシーズン60試合というのは慣れているけど、日本での土日連戦というものに対して練習の計画や選手のケガに対するリスクなど、今までと違う考え方でいかないといけなかった。その中でも選手たちはディフェンスのプライドを持って頭を使って準備をして、試合では全力でプレーしてくれたことに対して、ありがたい気持ちでいます。あと1勝でリーグ記録を超えますが、リスクマネジメントをしながら宇都宮に挑んで試合に勝利したいと思います。そして、ブースターが大きなエネルギーを与えてくれる船橋アリーナのホームコートアドバンテージを感じながら、CSでも頑張っていきたい」とパトリックHCはシーズンの振り返りと、C Sへの意気込みを話した。

パトリックHCは「CSでも頑張っていきたい」と抱負を語った [写真]=鳴神富一


 一方の富樫はレギュラーシーズンを振り返り、チームの成長に言及したうえで言葉を続けた。

「新たな指揮官の下でのシーズン序盤は本当に試合前や試合中も含めて、なかなか上手くいかない時がすごく多かったです。でも、連勝を重ねてきたあたりからチームとしてリズムが良くなり、お互いを信頼してそれぞれの長所を引き出しながらプレーできてきました。今日の試合に関してはそういう部分が本当に出た素晴らしいゲームで、チームとして最高の状態でCSに臨めると感じています。こういうパフォーマンスを出せれば、自分たちは間違いなく優勝できると思うので、ここからもしっかりプレーしていきたいと思います」

 富樫の言葉のどおり、ケガ人が多く出たシーズンではあった中でこれほどの結果を残せたなど、「チームとして最高の状態」という言葉にも納得させられる。それでも、CSに向けて話を向けると昨シーズンのホームで味わった悔しさを見せて、言葉のトーンに少し力が入った。

「本当にレギュラーシーズンの結果でCSでのホームコートアドバンテージを与えられるだけで、1勝を与えられるとか何でもないので、しっかりと気持ちを持っていきたい。昨シーズン、このホームで2連敗を喫した時、本当に悔しい気持ちを味わいました。その中でレギュラーシーズンとCSでチームの雰囲気的なものがあまり変わっていなかった印象が個人的にはあって、改めて別物であると認識をしっかり持って、チームとして最高の準備をして臨んでいきたいです。そして、昨シーズンの悔しさを今シーズンは晴らしたい」

「去年の悔しさを晴らしたい」。富樫は2度目のリーグ制覇を目指す [写真]=鳴神富一


 昨シーズン味わった悔しさを晴らすために、富樫はブースターの後押しも当然味方につけるつもりだ。ジェッツカラーに染まるアリーナの中で最高のホームコートアドバンテージを受けて、頂点を奪還する戦いが約2週間後にいよいよスタートする。

文=鳴神富一

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