2023.05.03
Bリーグは10日、3月度の「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」を発表し、富樫勇樹(千葉ジェッツ)が受賞したと発表した。
富樫は3月、リーグ2位となる平均22.7得点に加え、同5位の6.0アシストをマークした。3月18日の京都ハンナリーズ戦では、試合終了間際に同点の3ポイントシュートを沈めると、オーバータイムの末に勝利。勝負強さを発揮してチームのピンチを救った富樫は、千葉JがB1新記録の24連勝を達成した大きな原動力となり、今シーズン自身初となる月間MVPを受賞した。
富樫は今回の受賞に際し、「月間MVPの選出ありがとうございます! 3月はチームとしても24連勝、個人としても3ポイントシュート800本達成など記録を更新しましたが、どの試合も最後まで声炎を送り続けてくれたブースターの皆さんの後押しがあってだと感じています。レギュラーシーズン後半戦、3冠に向けて引き続き応炎をよろしくお願いします!!」とコメントした。
また、選考委員は選出に至った理由を以下のとおり語っている。
佐々木クリス選考委員長
「3月のMVPは白熱の議論の末、千葉Jの富樫選手に決まりました。ついに千葉Jのリーグ史上最長連勝記録が24で絶たれてしまったものの、チームは(ギャビン・)エドワーズ選手が全試合欠場、(クリストファー・)スミス選手、(ジョン・)ムーニー選手、(ヴィック・)ロー選手も合計4試合欠場しながら6勝1敗。これまで個性とタレントある集団を束ね続けてきたキャプテンの富樫選手はチームを優先し、爪を隠しているかのようにも見えましたが、3月はいよいよその本性を現し、いかに驚異的な存在であるかを改めて高らかに宣言。
シーズン平均13.8本のフィールドゴールアテンプトを月間平均で18.6本まで増やすと、シーズン平均15.9得点も3月平均では22.7点まで7点近く増幅。また、3月平均6アシストに対してターンオーバーは僅かに2。一流のポイントガードに必要な2:1の比率ではなく、3:1というまさに卓越したゲームコントロールも発揮。キープレーヤーを欠き、負けが先行してもおかしくない状況でもそうさせなかった富樫選手の意地を見たひと月でした。3月18日の京都戦で延長に持ち込む同点3ポイントシュートもさることながら、翌日には前日に延長までもつれた京都相手に第2クォーター、第3クォーターの富樫選手のパフォーマンスでチームが21点差で勝利する原動力となったことも印象的。その懐の深さを改めて知らしめ、勝利への異次元のインパクトを証明。
その他、リーグ全体で勝率2位につける島根スサノオマジックは7戦全勝で駆け抜けクラブ連勝記録を15に伸ばし、(ペリン・)ビュフォード選手は3試合連続トリプルダブルという快挙。琉球ゴールデンキングスも西の強豪として7戦全勝を果たす中で(アレン・)ダーラム選手の貢献も選考委員会としては見過ごせないものでした。また3月の月間平均でリーグ最高24.3得点を叩き出した横浜ビー・コルセアーズの河村(勇輝)選手や月間で平均20点以上、5リバウント以上、5アシスト以上を記録した唯一の選手、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの(コティ・)クラーク選手など、素晴らしい活躍の数々でした。今後も白熱のリーグ戦と人々の魂を揺さぶるパフォーマンスに期待しております。Let’s go!」
正中岳城選考委員
「3月は、千葉Jのリーグ連勝記録更新が大きなニュースとなりました。中でもケガ人を多数抱えるチーム事情もありながら連勝街道を爆進させる原動力となった、キャプテンで司令塔の富樫選手の自在で多様なプレーによる貢献から、大きなインパクトを受けました。的確な判断と極めてミスの少ないゲームコントロールを行いながらも、一段ギアを上げて、シーズンを上回る3月の個人スタッツを記録したことも月間MVP選出の理由となりました。
また、3月無敗の島根では、月間MVP常連のビュフォード選手の3試合連続トリプルダブルなど、驚異的で印象的なパフォーマンスを記録したこと、同じく3月無敗の琉球からはダーラム選手の攻守にわたる体を張った献身的プレー、この他、横浜BCの河村選手の爆発的な得点力と勝利への気概に満ちたプレーなども3月選考を白熱させたことを申し添えたいと思います。いよいよシーズンも佳境となり、厳しい試合日程において、チームの成長と総合力を証明し続けられるのかが問われることとなる、4月の戦いも注目です!」
松島良豪選考委員
「リーグ新記録の24連勝を達成する立役者の1人として活躍された富樫選手の魅力は得点やアシストに加えて、京都戦で見せたクラッチタイムの素晴らしい得点力と勝負強さで、リーグ屈指の選手だと思われます。富樫選手といえばなんと言っても3ポイントシュートですが、私個人的には2ポイントシュートも取れるのが素晴らしいと思っています。あれだけサイズのある選手がいる中での2ポイントシュートの得点パターンの豊富さは、子どもたちに勇気と希望を与えてくれるような素晴らしいプレーだと感じでいます。ガードらしくターンオーバーも少なく、ケガ人が多い中でもチームをコントロールし、若手が入って来てより一層責任感が増した富樫選手の活躍に期待してリーグ史上初の3冠を取れることを楽しみにしています!
そして、何もかもがすごすぎて、ありえないスタッツが日常化しているビュフォード選手ですが、3月はトリプルダブルを連続3回取るなどクラブ連勝新記録も達成して文句のつけようのない活躍でした。特にクラッチタイムでの活躍は島根のファンの皆さんもビュフォード選手にボールを預けていればどうにかしてくれる。スラムダンクでいえば沢北、仙道、流川並みの信頼感が生まれているはずです。島根が今年どのような形で優勝争いに食い込んでくるのかとても楽しみにしています」
BMH特派員
「3月の富樫選手は、リーグ連勝記録がかかっている中でも安定した得点力・アシスト力・コントロール力を発揮し、連勝記録の更新に貢献していたと思います。3月18日の京都戦ではオーバータイムにもつれるきっかけとなった3ポイントシュートを決めるなど、依然として勝負強いことも示しました。また、今月活躍したポイントガードの中では平均ターンオーバーの数が最も少なく、多かった試合でも3であることも特筆すべき点です。
そして、3月の島根は全勝し、相手チームから激しくマークされながらも3試合連続のトリプルダブルを記録するなど引き続き好調をキープしているビュフォード選手。彼にボールが集まることにより、ほかの選手のプレーにも好影響が出ている点にも注目です。そのほか、同地区首位争い直接対決を勝利に導いた月間得点平均1位の横浜BCの河村選手、ロスター状況の非常に苦しい中で広島ドラゴンフライズとの激戦をブザービーターで締め括った名古屋Dのクラーク選手、移籍後から地道に滋賀レイクスを引っ張ってきた成果がここへ来てスタッツや連勝に現れている滋賀のテーブス(海)選手と、印象に残る活躍が非常に多く3月の選考も頭を悩ませました」
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