2023.04.06

河村勇輝に続いて金近廉もプロに…東海大監督は意向尊重も協会やリーグに規約策定を提言

プロ入りが決まった金近について、東海⼤の陸川章監督が見解を示した [写真]=伊藤大允
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 千葉ジェッツは4月5日、2022-23シーズンの練習生として加入する日本代表の金近廉が東海大学を退学し、2023-24シーズンの基本契約に合意したことを発表した。

 金近は河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)同様、東海大を退学し、プロの舞台に挑戦することになる。2人を指導した東海⼤学の陸川章監督は6日、バスケットボール部の公式Twitterを通じて『金近廉選手の報道に対する弊部の見解とお願い』と題したリリースを発表した。

 2月に行われた「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window6で日本代表デビュー後、「プロ選手になりたい」と相談を受け、金近の意向を最⼤限に尊重するために議論を重ねてきたという。

「彼との話し合いの中では、バスケットボール選⼿としてのキャリアを終えた後の⼈⽣についてもこちらの思いを伝え、学位を取るために⼤学に籍を残しながらプロ選⼿としてプレーすることや、Bリーグの登録期限を踏まえてあと1年間を⼤学やU22代表としてプレーした後にプロ選⼿になることなど、様々な選択肢があることを伝えました。最終的には、複数の選択肢の中から彼⾃⾝が『退学してプロ選⼿になる』と決断をしました。その後、千葉ジェッツさんからお声がけいただき、今回の報道の通り契約に⾄りました」

 大学⽣年代でプロ選⼿になることは「⽇本では稀なケース」と示したうえで、「最近の河村選⼿の活躍を⾒ても⼗分に通⽤することを⽰してくれています。また、⽇本の強化のためにはできるだけ早期に世界を経験することが重要です。プロ選⼿として勝負できる時間は限られており、パリ五輪を前にできるだけ競技に集中する環境に⾝を置くことは、彼の競技⼈⽣において良い選択になると思います」とコメントし、⼤学スポーツ界に及ぼす影響についても言及した。

「今回のような事例が今後も続くとなると、⼤学スポーツの位置付けを⾒直しせざるを得なくなるのも事実です。⼤学スポーツは4年間在籍することを前提に毎年リクルートを⾏い育成・強化をしています。その育成過程の中で、チームの中⼼選⼿が突如いなくなってしまうことへの損失は皆様も想像に難くないと思います。⽇本協会やBリーグの関係者の皆様におかれましては、未来ある有望な若い選⼿たちが、彼ら⾃⾝の⼈⽣の岐路において正しい判断ができるよう、このような事案に対する規約の策定を検討していただくことを強く望みます」

 そして最後に「私は⾦近選⼿の今回の決断に対して最⼤限の敬意を表するとともに、今後も応援していきます」と、プロの道に進む教え子に向けてメッセージを送った。

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