2022.05.17
Bリーグ2シーズン目を迎えた男子バスケットボール界。2019年にはFIBAワールドカップ、翌2020年には東京オリンピックが控え、より一層の発展へ期待が高まるばかりだ。日本バスケットボール協会やBリーグは両大会、さらにその先を見据えて選手の強化に力を入れている。すでにアメリカの大学で活躍する渡邊雄太(ジョージ・ワシントン大学)や八村塁(ゴンザガ大学)、日本代表に名を連ねる馬場雄大(アルバルク東京/筑波大学4年)などが台頭しており、それに続く超逸材、さらに可能性を秘めた“原石”もまだまだいる。ここでは『バスケットボールキング』推薦のスター候補生を紹介する。第18回は中部大学第一高校(愛知県)の坂本聖芽。1年次から強豪校のメンバー入りを果たし、最終学年を迎えた今年は同校のエースを務める。インターハイで味わった悔しさを晴らすため、愛知県予選を勝ち抜き全国への切符を手に入れることができるか。
愛知県では10月28日より、平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ2017)の予選を兼ねた「全国高等学校バスケットボール選手権大会 愛知県大会(ALL AICHI2017)」の二次予選が始まる。今回はインターハイに続く県制覇、そして全国出場を目指す中部大学第一高校(愛知県)から坂本聖芽を紹介したい。
身長は181センチ。上背はなく細身だが、とにかく体と脚が強い。一気に加速度を増すドライブでディフェンスを強引にこじ開け、ブロックに飛んだ選手とぶち当たってでもシュートを決めきる。そのパワフルさと得点への貪欲さは、インターハイで見た選手の中でも一際特別なものを感じた。
しかし、準々決勝の福岡大学附属大濠高校(福岡県)戦は、皮肉にもその攻め気が仇となった。福大大濠のフェイスガード(顔を突き合わせるくらいの距離で絶えず密着マークすること)にリズムを狂わされ、チームと坂本本人の本来の攻めを見失った独り相撲のオフェンスに終始した。坂本は試合後、「とにかく自分が点数を取らなきゃいけないといっぱいいっぱいになってしまって、何も考えずにやってしまいました」と振り返った。
明確な理由はあまり覚えていないと言うが、中学、クラブチームの先輩にあたる遠藤和希(現名古屋経済大学2年)の影響などもあって、埼玉から愛知にやって来た。入学直後から頭角を現し、同級生の中では唯一、1年夏からメンバー入りを果たしている。
大きく影響を受けているのはカイリー・アービング(ボストン・セルティックス)。「フェイントを掛けて反応したら行く。簡単な出し入れをいつも意識しています」と話し、インターハイ直前に行われた来日イベントについて向けると「ライブ動画をずっと見てました。すごく行きたかったです……」とちょっぴり悔しそうな表情だった。
「このインターハイで全然成長できなかった」とインタビュー中にも悔し涙をにじませた坂本は、体作り、体重増加、状況判断、ディフェンスなど冬に向けての課題を次々に挙げた。11月19日に行われる二次予選の決勝を勝ち抜き、東京体育館で大きく成長した姿に再会したい。
文=青木美帆
写真=徳原隆元
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