2018.12.26

凄みが次第に増す岐阜女子。持ち前のチームディフェンスとリバウンドでベスト4進出

安江沙碧梨は16得点14リバウンドの大車輪の活躍を見せた [写真]=大澤智子
バスケットボールキング編集部

 12月26日、4日目を迎えた「Softbankウインターカップ平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は、メインコートをかけた女子準々決勝4試合が一斉に行われた。

 今夏、愛知県小牧市で開催された東海インターハイで準優勝した岐阜女子高校(高校総体2/岐阜県)が京都精華学園(京都府)とベスト4をかけて対戦。前半をほぼ互角の内容で折り返したこの試合、第3クォーター、岐阜女がスパートする。

 岐阜女子に勢いをもたらしたのは安江沙碧梨だろう。安江は速攻やオフェンスリバウンドでコートで存在感を示した。この試合、エースの池田沙紀は打撲のため、出場時間を調整しながらのプレーとなったが、それをカバーするだけでなく、チームの勝利に大きく貢献した。

 終わってみれば岐阜女子が73-61で京都精華に勝利。着実にベスト4に勝ち進んだ。試合後、記者に囲まれた安江満夫コーチは、「(京都精華は)いつも練習ゲームをする相手。勢いがあるので簡単に突き放せないと思っていた。後半、ちょっとリズムが悪い時があったが、そこを我慢して乗り越えるうちのゲームができたと思う」と、冷静に試合を振り返った。

 さらに安江コーチは持ち前のチームディフェンスに言及。「アンダーカテゴリーの代表にも選ばれている(京都精華の)高橋さんをチームで止められたことが大きかった。そして何と言ってもリバウンド。ボックスアウトを頑張ってくれてリバウンドをしっかり取れた」と、大崩れしない試合運びに手ごたえを感じているようだ。

 岐阜女子はインターハイと国体を制し、高校3冠を目指す大会で優勝候補と言われながら、エースの負傷というアクシデントの中、昨年の大会では準々決勝で79-105で安城学園高校(愛知県)に敗れ去った。「去年の(悔しい)想いが1年間頑張ってこれモチベーションになっている。ここからは一つひとつ。本当にここから」と、最後は自分に言い聞かせるように言葉を選びながら語った安江コーチ。

あくまでも慎重な姿勢は崩さず冷静に試合を分析した安江満夫コーチ [写真]=大澤智子


 桜花学園高校(高校総体1/愛知県)、八雲学園高校(東京都)など、優勝候補と目されていたチームが次々と敗れる波乱が起きたこの日、岐阜女子が見せる万全な試合運びに凄みが次第に増してきたようだ。

文=入江美紀雄

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